ついに,非常勤講師の仕事が無くなってしまいました.(^^;
これで旭川の大学では,「化石に関係した授業」をしているところは無くなることになります.
それは,それぞれの大学の都合なのですから,仕方のないことですが…….
「地球と生命の歴史」をテーマに授業を作ってきました.
内容が内容ですから,過去の生命の証拠である「化石」を実際に見せたいので,個人のコレクションからその授業・授業に関係のある化石を見せて,触らせて実感してもらってました.
大学には標本が一つも無いのです.
学生さんが「三葉虫」や「大型脊椎動物」の標本に触ったことがないのは「それはそうかな」とおもいましたが,北海道では有名な「アンモナイト」やすぐそばの沼田町で保護している「タカハシホタテ」なども,見たことも触ったことも無い子らが,ほとんどなのです.
ついでにいえば,「石炭」も見ても,触らせても「石炭」であることがわからなかった(ハハッ(^^;).(あ,石炭は化石じゃあ,ありませんよ)
それで気になって,旭川のほかの大学では,化石の標本を授業で使っているのか,それよりも,大学自体が「地球と生命の歴史」に関連した授業をおこなっているのか,を調べてみました.
危惧は当りました.
旭川には,一応大学を称する施設が四校あります(高専が一校ありますが,ここでは除外しておきます).教材として「標本」を授業でつかう大学は「皆無」でした.
「『地球と生命の歴史』に関連した授業をおこなっている」と答えた大学は二校あったのですが,授業で標本は使わないそうです.
ついでに担当者の専門を訊くと,「地質学」や「層位学」,「古生物学」を専門とする人はいませんでした.
再度いっておくと,
それは,それぞれの大学の都合なのですから,仕方のないことですが……((^^;).
さて,「地球」や「環境」という言葉が新聞やTVに出ない日は無いぐらいだと思いますが,地球やその環境の変遷を示す具体的な証拠をあつかっている大学が,旭川には無いのです.
旭川だって,いろんな人が,毎日のように「環境が…,環境が…」などと議論しているとおもいますが,一体何を基盤にしゃべっているのでしょうね,と,思ってしまう.
公園に生えているイチョウやコブシの木の意味や,庭に植えてあるトクサや嫌われ者のスギナの意味.ブタナやコウリンタンポポにおされぎみなセイヨウタンポポのルーツ,昔から生えていた(エゾ)タンポポとセイヨウタンポポの関係.
ナキウサギやヒグマが北海道にいることの意味.
海底平野に眠るマンモスの意味.
絶滅したはずのタンチョウヅルが釧路湿原で生き延びていることの意味.
二百数十年前,はるか北のベーリング海で生き延びていたステラー海牛が人間によって「絶滅」させられましたが,その先祖が北海道の各地で発見される意味.
八千万年前の海から,長頸竜や滄龍,オサガメの先祖が甦ってくる意味.北海道の脊梁を作る日高山脈が山脈として存在する意味.
こういうことは,これからすべて,旭川の外でやらなきゃアならないのね.悲しい.
ついでに言っておけば,夕張が財政再建団体になってしまった意味というのも,ありますけどね.