帯に,「3800000000年を200ページで」とある.
まあ,無理ですね.(^^;
さて読んでみると,進化の通史を書いているわけではなく,生物進化の様子を大先生の「構造主義生物学」の目で眺めたらどうなるかという話ですね.
物理的に無理なわけですが,先生正直で「わからない」が結構でてくる.先生の理論でも「スッパリ」切れるわけではないのですね(化石のみが証拠ですから,これは当たり前).
残念なのは,大先生,「ほとんど地球の歴史がわかっていない」こと.間違いが目につきます.
それから,先生は「サイモン・コンウェイ・モリス」と表記していますが,件の人物は「サイモン・コンウェイ モリス」です.だから,「モリス」と呼んではいけません.「コンウェイモリス」です.
これは,正式な論文の略記をみればわかります.Moris, S. C.ではなく,Conway Morris, S.になっています.
おもしろいのは,あとがき.
「古生物学者は,自分の得意分野のみを大きく取り上げることが普通で,通史はあまり書きたがらないようだし,進化論の理論家は面白そうなトピックだけを取り上げることが多いし,科学ジャーナリストは生物の歴史そのものよりも,古生物学者の生態の方に興味があるようである」と,あります.まったくそのとおり.(^^;
たぶん,もう一・二行書きたいことがあったことと思います.(^^;
地団研の会員が中心になって「双書 地球の歴史1~7」を書き上げたのが1985年のこと.いまだにこれを越えるものが出ていません.もうだいぶん古くなっていますが,こういうものをまとめ上げることができる人たちが,日本には,もういないのでしょうねえ….(--;.