ドナ・ハート&ロバート・W・サスマン著「人は食べられて進化した(伊藤伸子,2007訳)」を読んだ.
「Man the Hunter(狩るヒト)」説が普通だが,こちらは,「Man the hunted(狩られるヒト)」説.
「狩られるヒト説」があるのは知っていたし,サーフィン中にサーベル・キャットが人類を食べた痕という論文を見つけているので,科学的な「まな板」に乗った説だということも知っていた.でも,まとまった論説を読むのは初めて.
前半2/3は進化の話ではなくて,現在捕食されている人類や猿類とハンターの話だったのは面白い.最初はウンザリだったけど,途中で面白くなった(^^;.
それにしても,外国の本というのは,なぜにこんなにも分厚いのだろう.20年前なら,二三日あれば,読み切ることができたのに,最近は「つらい」のひと言.読み終わったら,ほとんど忘れているしね.
確かに,「狩人」として成功してるのなら「進化する必要はない」わけだから,ハンターとしてのヒトが進化するのは奇妙だ.
逆に,常に狩られる側であれば,なんとかして生き延びるために「進化する必要があった」わけだ.ただ,必要があったから進化するというのも証明できてないような気が….
不思議なのは,随所に「獲得形質が遺伝する」という前提での記述があること.欧米人も決して「ネオダーウィニズム」一色ではないんだね.