2007年7月1日日曜日

授業「北海道の化石」

 最近,忙しくって書くペースが落ちてますね.
 七月五日に,旭川の北星公民館で「北海道の化石」についてお話しします.「女性大学」というのがあるんだそうですが,その中の授業の一つとしてですね.

 旭川で,「地球と生命の歴史」を市民相手にお話しするのは,一つの夢でしたから,たいへんにありがたいことだと思っています.そういう仕事が出来ればと思って旭川に「Uターン」してきたのに,市教委からはそんな人はいらないっていわれましたからね.

 マスコミで,「環境」って言葉がでない日はないのに,根本である「地球と生命の歴史」に関する扱いってのは,最低っていっていいんじゃあないでしょか.

 旭川にも大学がいくつかあるンですが,この間調べたら「地球と生命の歴史」に関連する授業をおこなっているのは(私が非常勤でいってる大学を除いて),二校でした.しかし,いずれも関連する標本は「一つもない」と答えてます.つまり,「生命の歴史」をやりながら,「化石」一つ見たことがない学生を育ててるってことです.

 これはまあ,ある程度しかたのないことなんですね.というのは,一校は現世の生物学の先生が教えており,もう一校は(自称)「木製バットの専門家」が教えているそうです.要するの畑違いの人がやってるんですね.大学も経営がきついですから「地質学」や「古生物学」の専門家なぞ置く余裕がないということでしょう(フム.これが,昔の地質学科がみな「(地球)環境学科」に看板かけなおしてる理由か).
 「化石」を見たことがない先生が「化石」について授業をして,「化石」を見たことのない学生が卒業していってる・・・.

 いま,非常勤でいってる大学でも,自分のコレクションの中から関連するものをさがして授業で使ってますが,大学自体には「一つの標本」もありません.

 「女性大学」の講演では,できるだけたくさんの化石を見せるつもりですが,そうすると,旭川の“大学”で,一番標本をつかってる大学になったりして・・・.

2 件のコメント:

shibetsu さんのコメント...

化石は「夢とロマン」の塊であり,今の地球を考える上で重要な存在だと思うのですが,そうした感覚を持つ人が少なくなりつつあるのでしょうか.いや,そんなことはないですよね.しかし,社会が実学的なものばかり追求する傾向はありますよね.直接的な.
どうぞもっともっと多くの旭川市民に,化石の実物を見せてあげてください.そして,「化石の語ること」を語ってあげてください.応援しています.

ボレアロプーさん さんのコメント...

ありがとうございます.
昔勤めてた博物館の町のお役人も,博物館に理解があったとはいえません(その壁を突き崩すことに疲れて仕事を辞めてしまったようなもんです.旭川だって,同じだとおもいますね.動物園には理解があるようにみえますが,それは旭山動物園が有名になってしまったからでしょう).
だから,もうこれをには区切りをつけるつもりです.旭川に越してきて八年目でようやくですからね.化石の話ができるのは.

それはそうとして,持ってる化石は学生時代に集めたガラクタばかりなので,話に合わせるのは結構たいへんです.もっと真面目に集めておけば良かった(^^;.

博物館時代のは,もちろんすべて博物館の収蔵庫の中です.これは,博物館に見に行くように勧めるつもりですがね.