2012年11月9日金曜日

相も変わらず

 
某出版社からダイレクトメールがとどいたので買ってみた.
なんか面白くないので,居間に放置しておいたら,妻が見て「なにこの図鑑.知ってるものがなにも出ていない」という.

なるほど,「なんか面白くない」と感じたのはそれが原因か.
妻は小学校教師で,ボルボックスとかミドリムシとか,ゾウリムシなど,教科書に出ているようなことしか知らない.
そんな感じで,この図鑑で,知ってるプランクトンを引いてみようとすると…,出てこないのだ.

この図鑑,例によって「学名が粗略」に扱われている.

「学名を粗略」に取り扱う言い訳が,前書きの「本書における和名について」に二頁にわたって,書き連ねてある.
書いている本人たちは「正当な理由」としてあげているみたいだが,私には「私たちは学名の意味を知りません」と書いているようにしか読めない(各項は,いちいち反論できるが,むなしいのでやらない).
日本の学者のレベルである.

さて,それで,学名をおとしめるかわりに「和名」をつかった理由が延々と書いてあるのだが,残念なことに,一般の反応は「妻の如き」だろう.だって,数少ない知っているプランクトンの名前「ミドリムシ」を引いてみたが,出てこなかったのだから.

学者が,学名に市民権を与える努力を放棄して,おもしろ半分に和名を大量作成し,悦に入っている.そんな図鑑.
ところが,某ネット書店での「カスタマーレビュー」を見ると,絶賛のあらし.
不思議なもんですね.
ん? これって,「ステマ」なの?


   

注:妻が目的のプランクトンにたどり着けなかったのは,実は当たり前で,この図鑑は「日本の」,「海産」のプランクトン図鑑だからです(ただし,和名の構造からくる「引きにくさ」には,なんの違いもありません).

プランクトン図鑑」という文字の巨大さに比べて,「日本の海産」は異様に小さい.
こういうやり方は,最近では当たり前のことなのかな.意図的に相手のミスを先導するような….
書くなら,「日本の海産プランクトン図鑑」だと思うが….
 

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