2008年8月15日金曜日

恐龍と“文学”

ちょっと,別なことで忙しくて,サボってました.
また,本棚の整理シリーズです(^^;.

 佐貫亦男(1994)「恐竜たちと遊ぶ1時間」(朝日新聞社)

 佐貫亦男さん(1908-1997)といえば,航空技術者として有名ですが,非常にわかり易い科学解説をおこなうのでも有名です.私も子供の頃から何冊か読んだ記憶があります.
 さて,この本は,単行本時代には「進化の設計」として発行されたものです.地質時代時々の生命を取り上げ,その形態や生き様についてのエッセイをオムニバスに並べたもの.したがって,「恐龍たち…」という題は不適切.
 「よくまあいろんな話を集めたなあ」と感心しますが,材料が材料だけに,詳しく書けば書くほど,その寿命が短くなるのが悲しい.科学的な事実というのは「結論」ではなくて,真実への「通過点」なので,ある程度仕方がないんですが….
 大人向けの“怪獣図鑑”というところでしょうか.
 面白いんですが,こういう本を読める大人はどんどん減っているのだろうと….
↓こちらが元の本.


 東雅夫(1998)「恐竜文学大全」(河出書房新社)

 地質学に関係した文学・音楽・アートなどを探っていたときに見つけた一冊.肝心な「地質学」関連の方はなかなか目処が立ちませんが,恐竜に関する文学がこんなにあったんだと,目を開かせてくれた本.
 星新一,豊田有恒,荒俣宏,中谷宇吉郎,宮沢賢治,筒井康隆など,昔よく読んだ作家の名前が出てきました.実はあまり読んでいなかったのね,と,反省.
 ちなみに,豊田有恒「過去の翳」には,(エゾ)ミカサリュウが出てきますが,ティランノサウルス科の「恐龍」となっています.

 巽 孝之(1997)「恐竜のアメリカ」(筑摩書房)

 著者は,博覧強記というのだろうか.題材はロックミュージックから始まり,文学を経て映画にまで至る.どれも,聞いたり,読んだり,観たりしていなければ,話題にはついていけそうもない.もちろん,聞いたり,読んだり,観たりしたことがあるものについては,なるほどそうであったかと,再認識できます.
 末尾の文献リストは結構便利です((^^:).

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