2008年11月26日水曜日

石川貞治・横山壮次郎の地質学(1)

(簡略版・札幌農学校の地質学)

はじめに

 ここ何ヶ月か「札幌農学校の地質学」についてまとめようと努力してきました.一つにはまとまりそうもないことと,「開拓使仮学校の地質学」,「地質測量生徒の地質学」が分けられそうなので,先にまとめておきました.これはすでに公開してますね.
 で,引き続き,「札幌農学校の地質学」について資料を読み込んでいたんですが,これは,なかなか困難な作業であることがわかりました.

 原因は,「北大百年史」です.

 「北大百年史」には,「通説」もあるし「史料」もあるので,読めばわかると思っていたのですが,なかなか.
 「史料」は不完全であるとしか言いようがありません.例えば,最初のころは入学生や卒業生は総数や個人の名前も示されていますが,後に行くほど不完全になり,名前どころか,卒業生徒数や入学生徒数すら記述されていないことが多くなります(初期の札幌の農学校は四年に一度程度,新入生募集が停止されていますので,注意していないと年代をまちがえることがあります).
 実際に行われた授業についても,初期はともかく後期になればなるほど,時間割や授業担当者の名前も記述されないことが多くなります.また,示されている限りのことをピックアップしても,「史料」に示されていること,「通説」で解説されていること,あるいは各論=「北大100年の諸問題」などで示されていること,その「付表」で示されていることなど,矛盾することも少なくありません.
 考えにくいことですが,「史料」以外になにか別の史料があるのかもしれません.が,それらは示されていません.「史料」に何かのバイアスがかかっているのだとしたら,何のための史料なのかな? と思わせますが,何か,わかられてしまっては困ることもあるのかもしれませんね.

 正直なところ,札幌農学校史を何か一つのテーマで通してみるなんてことは,手のつけようがないと感じているのですが,そこはそれ,もう少し頑張ってみることとして,一つの話題を先にまとめておこうと思います.
 それは,札幌農学校を卒業して,現場の技術者として北海道庁に入り,のちに札幌農学校で教鞭を執るようになった人たちのことです.

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