2011年12月17日土曜日

「放散虫」について(放散虫とはなんなのか;生態系の中の「放散虫」)

●生態系の中の「放散虫」
a)「生態的ピラミッド」

・「生態系」というと,よくでてくる図:海の生態系を簡略化したもの
・一番下に大量の「植物プランクトン」があり,それを食べる「動物プランクトン」がいて,それらを食べる「小型肉食者」がいて,さらにそれを食べる「大型肉食者」がいる>「食物連鎖」と表現される
・この図の中では「放散虫」は「動物プランクトン」に含まれる>実際には,こんなに単純ではない
(これは「量的」な概念をあらわしたもの)

b)「海洋の食物循環」(あまりいい図ではないが,時間の関係でこれしか見つからなかった)

・「植物プランクトン」=「珪藻」をイメージしたものでしょう>「動物プランクトン」に食べられる;同時に,「植物プランクトン」は,エビなどの甲殻類に喰われる:同時に小型の魚にも喰われる
・小型の魚・甲殻類は大型の魚に食べられる>それらはもっと大きな肉食動物に:この絵では「サメ」ですが「イルカ・クジラ」などもそう.場合によっては「ヒト」も.
・一方で,それらすべての生物は「死ぬ」>死ぬと分解されて「分解を受け持つ生物」によって>単純な元素・化合物に還元される>それらを「植物プランクトン」が利用する>「ピラミッドというよりは循環系」

ちょっと気になるもの=「太陽の光」が描かれてる:太陽の光は「生態系」には関係ないものなのだろうか.

c)「生態系の概念」

・太陽から来る「光」のほかに…
・地球上のさまざまな要素:これらが,密接に,複雑に関係して「なにか」を作っている
>これが「地球」:普通「地球」というと,右側の三つ「大気」・「水」・「土=岩石」:それぞれ,「大気圏」・「水圏」・「岩石圏」と呼ばれている
>それだけでいいのか:それでは,どこにでもある星に過ぎない>「地球」ではない:生命は存在していない.

「動物」+「植物」+「ヒト」=「生命」>これがなければ「地球」とはいえない(だろう)
・地球物理学者は「地球の年齢は46億年」とかいうが,46億年前の“地球”なんて,ただのチッポケな熔けた星に過ぎない:生命は存在していない.

d)「地球上における水の動きとそれに伴う物質の循環」(西村三郎)
西村三郎:京都大学名誉教授;普及書をたくさん書いている>どれも面白い:10年ほど前に亡くなっているので,だんだん読めなくなる.

・地球上のさまざまな要素がある>水を媒介とした物質の循環を示している
生命もその要素の一つ>地球の営みと生命とは切り離してかんがえられないのだということを示している
>この話は「生物学者の側」からのもの

●「地球の歴史を研究」しているもの立場からは…
>それは「地球の誕生」から説明し始めなければ,ならない…>無理:別な機会があったら,と,いうことで
>ホンの一部:「地質時代における生態系の進化」について

・「隠生累代」>生命の痕跡がほとんどない時代:それでも単細胞生物=微生物はいた>生態系らしきものはない

a)「カンブリア紀の生態系」:カンブリア紀に入ると「無脊椎動物=三葉虫など」が現れる

>「植物」を各種の「無脊椎動物」が喰う:超原始的な生態系ができあがる
>「生態系」ができたとたんに「急速な進化」が始まる>俗に「カンブリア紀の爆発」
>「喰う・喰われる」の関係ができると「効率よく喰ったもの」が「勝ち」.「喰われないで生き延びたもの」も「勝ち」
>すこしでも良いデザインの生きものが多く生き残る:そういうスイッチが入ってしまった

b)「デボン紀の生態系」:デボン紀に入ると,より運動能力の高い「脊椎動物」=「魚類」が出現>魚類は生態系の頂点に立つ

c)「ペルム紀の生態系」:古生代後期になると,海の生態系は,ほとんど完成
>「無脊椎動物」の一部が,すでに上陸を果たした「植物」をおって上陸=昆虫
>魚類から進化した「両生類・爬虫類」が「植物」・「無脊椎動物」をおって上陸
>しかし,古生代の段階では,陸上はそれほど「賑やか」ではない

d)「三畳紀の生態系」:中生代=「爬虫類の時代」
>陸上が賑やかになる:食物の流れは,「植物」から始まるが「草食性爬虫類」に流れるようにシフトした.

・じつは,これでもう地球上の生態系は完成した:現在とまるで同じ
ということは>恐竜は滅びる必要がなかった哺乳類はでてくる必要がなかった
>それなのに変わってしまった>なぜ変わったのか「爬虫類は哺乳類にバトンタッチしたのか」というのは,面白い話題ではあるが,今日の話には関係ないので,別の機会があれば.

●さて,ここで「恐ろしいこと」に気づかないか
・生態系の上位にいる生物は,絶滅しても,代わりがでてきた>例がわかっている
>じゃあ,基礎になっている「植物プランクトン」・「動物プランクトン」が絶滅したら>代わりがでてくるのだろうか:ひょっとしたら,大変なことに…

・明瞭ではないが,じつは,過去にどうやらそういう事態が起きていたらしい.
>個別の絶滅は,いつでも起きているが,複数の分類群が一時に絶滅する“大絶滅”はそのような“連鎖反応”が関係していると考える学者もいる.
・もちろん,そのあと,代わりの「植物プランクトン」・「動物プランクトン」がでてきたのだが,その時代,その「植物プランクトン」・「動物プランクトン」を食べていた生物は甚大な被害を受けるだろう:一時的にしろ食べるものがなくなるし,代わりのものが出てきても,それを食物として受け入れられるかどうかは運次第.
>そういうわけで,連鎖的な絶滅が起きる=「大絶滅が起きる」>もちろん,これによって地層により入っている化石が変わるので,「地質時代がわかる」わけでもあるが….

●地球温暖化が起きると「大絶滅」が発生すると考える学者がいる.
>地球温暖化が起きると海水準が上昇する>浅海が広がる>「植物プランクトン」が大量発生する>海底に大量の有機物が放出される>海底付近の酸素が減少する>海底に生息する生物が絶滅する:この場合は,植物プランクトンが(絶滅したからではなく)異常に増加したから,生態系に異常をきたした例といえる.

=もうひとつ=
・地球上の生態系が始まって以来,生態系の基礎を支えているのは「植物」>主に「植物プランクトン」
>かれらがいなかったら,われわれは存在していない.

・われわれがいま呼吸している空気中の酸素は「地質時代」をとおして「植物&植物プランクトン」が生産してきたもの.
>より正確にいうと,植物プランクトンが生産した酸素が上空でオゾン層を作り,これが紫外線を遮断したため,生物が浅海に侵出できた
>浅海で効率的に酸素を発生するストロマトライトが繁栄した(正確にいうと,藍藻類が作り出す層状構造の岩石を「ストロマトライト」という)
>これが,現在の多くの酸素を含んだ大気の基礎を作った.


(蛇足)植物P・動物Pといえば,「単細胞生物」>単細胞といえば…「単細胞なヤツ」といえば,悪口>しかし,バカにできないものなんです.
そうえば「化石」もおんなじで,「化石のようなヤツ」>これも悪口ですね.
わたしら,「悪口の対象」ばかり研究している(^^;

1 件のコメント:

中嶋 さんのコメント...

蛇足読んで吹きました。