2012年3月16日金曜日

地質学と歴史との境界領域

面白い論文を見つけました.

それは,新関敦生さんの「地質学と歴史との境界領域」というものです.

(其の一)は「地質学からみた戦国時代のいくつかの古戦場について」という副題があり,其の二には「地下資源開発からみた戦国時代の一断面」という副題がついています.

其の三,其の四もあるらしいのですが,こちらは掲載雑誌が変わり,ネット上からはみることができません.しかし,いずれも地質学から見直した戦国時代論のようです.
読んでみたいものですが,入手はちょっと困難かと(一,二はネット上で入手できます).


また,地質学史探索を始めようかという気にさせました.
戦国時代どころか,はるか古代から人類は地下資源を使用してきたのに,これまでろくな解析がないのはなぜでしょうね.
以前,砂鉄のことについて,少し調べてみたのですが,惨憺たる結果でした.
それで,少し遠ざかっていたのですが,休憩期間中に,けっこう文献もそろってきたし,また,散歩してみるかな~~~.

あ,似たような研究に,盛本昌広(2008)「軍需物資から見た戦国合戦」というのがあります.
   

こちらも,これまでの戦国時代観と異なり,「資源」という方向から見直したものですが,わたしら地質屋からみたら物足りないものでした.
だって「軍資金」=「金銀」や,「武器」=「刀・鎧」=「鉄資源」ということには,まるでふれられていないのですからねえ.どこから,どういうふうに掘ったのか,どういう技術だったのか.


そういえば,世界遺産になった石見銀山だって,地質学的な総括はほとんどされていないという気がします.
まだまだ,やれることはたくさんありそう….

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