2013年2月17日日曜日

科学と技術,そして科学技術

 
アリストテレスは「医学」を「科学」とみなしていなかったそうだ.
つまり「医術」.
私もだいぶ前から,そう思っていた.

理由は,医界では「名医」が普通に存在することだ.
しかも,名医といわれる医者ほど,斯界の一般化された学術論文よりも自分の経験を重視することだ.
これはまったく科学者の態度ではない.
名医がもっている技術の伝承は,学問の府でではなく,直接,現場で弟子に伝えられてゆく.しかも弟子のほとんどが継承できるわけでもない.「ヤブ」は継承できない.

科学とは,技術の持っている特殊性を解析し,一般化して,基礎知識のある人間になら,誰にでも伝えることのできるシステムのことである.だから,科学は科学技術を爆発的に進化させた.

したがって,医学は科学ではない

今朝の「がっちりマンデー!!」に登場したテーブルマーク社の冷凍技術は,明らかに「科学」である.職人の持つ技術を機械化し,コンスタントにしかも大量に製造することができる.

そんなことを考えた.

日本の第一次産業,農業や漁業も,安全で安価に製造できる,そんな科学が登場しないかと,ふと思った.

高級食材をつくることで,海外の安い食品に勝ってゆこうという流れがある.勝手にやればという気がする.それでは,日本の第一次産業は滅びるにまかせることになることが分かっていないようだ.
 

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