2013年2月7日木曜日
Scaphitesの展開(Ⅵ)
1952年には,コバン氏[William A. Cobban]が,クリオスカファイテス[Clioscaphites]という属名を提唱しています.
この「クリオ・」という接頭辞の意味は,定かではありません.
考えられるのは,ギリシャ神話に出てくるオーケアヌスの娘の一人,クレイオー[Κλειώ](=歴史のミューズ神と云われる)です.これは,ラテン語化して「クリーオー[Clio]」になるわけです.
クリオスカファイテスは,図のように非常にキレイな形態をしています.しかし,なぜ「歴史のミューズ神」に結びつけられたのかは…,謎です.
これが正しいとすれば,ラテン語的には「クリーオー・スカプァイテス」と発音することになります.
このクリーオーは,あのクリオーネ(バッカルコーンで有名(^^;)の語源とも云われています.
ただし,「クリーオー[Clio]」がどうやったら「クリオーネ[Clione]」に変化するのかは謎です.説明が見つかりません.
辞典類には,この例は載っていないので,単なる俗説なのかもしれません(原著に記述はありませんでした).
ちなみに,「バッカルコーン」は《英》buccal-coneのことで,buccalは《ラ語》の「ブッカ[bucca]」=「頬」から,coneは《ラ語》の「コーヌス[conus](元は《ギ語》のコーノス[κῶνος])」=「松笠;円錐体」から借用した言葉です.
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