これまで示してきたように,26編程度の報告を読めば,だれでも“北海道地質学史”の研究者になれることがわかる.すでにもう,事実の概略は示されているのである(それにしては,いまだに学会発表なんかで“あらすじ”とかやってる“研究者”が見受けられるが).
もっとも,各報告に載せられた「引用文献」については,すでに入手不可能なものや,(わたしを含めた)一般人にはアクセス不可能な資料もあるので,このあたりは大都市在住者か大学関係者でなければ,「だれでも」というわけにはいかないだろうけど(半分愚痴である:(^^;;).
そういうことはさておき,全体を通して眺めてみて気のついた点をいくつか.
・第一に,これから地質学史(とくに北海道について)の概略について述べるなんて,学会発表や報告はナンセンスであること.
・第二に,事実を羅列するのは,すでにナンセンスであり,全体としてどういう発展を遂げてきたのか(歴史的流れ)とか,時代に反応して進んできた地質学史(社会地質学的見方)など,「見方」を考察すべきであること.
・第三に,以上のことから「概論」の時代は過ぎたので,「細部」のこと,ひとりの地質家の生き様であるとか,一つの地質現象についての解明の道筋とか,が語られるべきであると思われること.
・さいごに,地質家(大学教授や公的研究機関の諸先生だけでなく)は,もっと自分がやってきたこと,歩いてきた路を語るべきだということ.最先端の学問についてのみではなく,地道な調査と「失敗」の記録を,残しておくべきだろうと….
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