2010年7月22日木曜日
共貧状態
「ザ・コーヴ+α」で,「江戸時代に鎖国した日本は“フラスコの中の生態系”とおなじで,日本人は共貧状態で生きることになれている(いた?).」と表現しましたが,「誤解をうけているかも」と思い,補足します.
「共貧状態」というと「共倒れ」みたいなイメージがありますが,そうではありません.「フラスコの中の生態系」は動的なバランスを保った,安定した生態系のことで,“外圧”でもない限りバランスが崩れることはありません.
この話は,たしか栗原康「有限の生態学=安定と共存のシステム=」(岩波書店)の中にでてくると記憶します.出版されたのが確か1975年ですね.
大学教養部のつまらない教授の授業を聞くより,岩波新書でも読んでる方がまし,と思い,教室より大学生協の書店にいくことのほうが多く,手当たり次第に読書していたころに読んだ本です.
もちろん,これは大学の中ではルール違反で,年度末に手痛いしっぺ返しがありますが(つまり,ドッペる),教養部のつまらない授業をきくよりは,よっぽど勉強になったと思います.
しばらくしたら,「教養改革」なんてことが,大学スタッフの中で問題になっていたようですが,結局,つまらない教授連が定年退職するまで,「改革」なんてことはできなかったようです.
話を戻します.
“フラスコの中の生態系”
そこでは極端な贅沢はできないですが,明日の食い物を心配する必要もない.
逆に,喰わないとバランスが崩れるほどに.
江戸時代がちょうどそういう時代だった.
フラスコは,米国の「捕鯨」のために,壊されることになりますが,このため,日本では,欧米流の「改革」が生じ,「富国強兵」のために資源を求めて突っ走ることになります.それは,新しい生態系を求めて「もがく」状態だったのでしょう.
欧米にしてみれば,人跡未踏の地に踏み込んで,新しいウィルスに遭遇してしまった様な状態ですね.
その後は,いろいろありましたが,この話題とは関係がないので省略.
で,現在は,世界(=地球全体)が“フラスコの中の生態系”だということが,如実に表れてきています.
「地球は閉鎖系」,「資源は有限」
誰かが“とりすぎる”と,生態系のバランスを崩し,あらゆる生物が安定した状態(共貧状態)を求めて,“もがき”はじめます(米国は,そういうのを「テロ」とよぶそうです).
米国人は,イルカの心配をするよりは,フラスコの中で贅沢をしようとしている自分たちを反省すべきだと思いますね.
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