2009年7月15日水曜日

辞書の展開(番外)

 
●意外すぎるオチ
 このテーマ「辞書の展開」は,FEP(IM)にATOKを導入したのをきっかけに,言語環境や辞書環境を整備しようとしていたものです.
 新旧の生物分類をネタに,これまで使っていたいくつかの辞書・辞典を整理してゆくつもりだったのですが,意外なところでオチてしまいました.

 ひとつは,「Jamming」のアップグレード版の「Logophile」が出たこと.
 もうひとつは,Mac OSX (Leopard)搭載の「辞書」に「LSD」が使用できるようになったことです.この二つのために(おかげで),容易に,しかも大きな辞書データに,作成中の文章上からアクセスすることができるようになりました.そのため,FEP(IM)のユーザ辞書を(意識的に)鍛える必要がなくなってしまいました.
 膨大なデータの整理がほとんど不要になってしまい,辞書を作る方針を考え直さなければならなくなったからです.

Jamming/Logophileは「今井あさと」さんが公開しているシェアウェア.電子辞書ブラウザです.
・LSDは,「ライフサイエンス辞書プロジェクト」が公開している生命科学関係の辞書データの数々です.

●PDIC on MS-DOS
 MS-DOS時代には(Windowsに入ってからも続いてますね),PDICというすばらしい辞書ソフトがありまして,特殊な言葉(地質学,古生物学,etc)を使う私には非常にありがたかったものでした.これには,たくさんのdataを貯め込みましたね.辞書とは思えないようなデータも(生物,古生物の学名やその文献データ,友人の住所データまで).
 Mac常用になってからも,PDICでためた資産を使えないものだろうか,PDIC for Macは出ないものかと待ち続けましたが,いまだにPDICのように簡単にユーザ辞書を整備できるものはないと思っています.
 なにせ,PDICをMac上で動かすためだけに,一時はMac上でWindowsを動かしたものです.あほみたいなソフトで途中で消えていきました(現在,また(エミュレーションソフトというのかな?)いくつか出ているようですが,そのときのトラウマ(それほど大げさなモンじゃあないですが)で手を出す気がしないです).

・蛇足しておけば,MS-DOS時代には(すでにWindowsも出てましたが),テグレット社の「知子の情報」シリーズと「Vz Editor」,それにこの「PDIC」があれば,ほとんどの仕事が可能でした.もちろんFEP(IM)は「WX」series.
 バッチファイル(懐かしい言葉(;_;))を組んでおけば,いつでもアプリの切り替えが可能.まったくWindowsは必要なかったですね.


●Jamming on Mac
 Macを常用するようになって,日本語環境が「さみしい」のが気になってました.FEP(IM)もそうですが,辞典類も使い物にならない.

 しょうがないので,マック上で動くいくつかのソフトを試しました.
 結果だけいうと,Jammingというのが一番でした.
 たくさんの市販辞書データを一覧できるし,ユーザ辞書も何とか作れます.

 ジャミング辞書形式というのが,ちょっと特殊なので,PDICのデータを全て変換することはできないままに,しばらく使用してました.「大辞林」や「ランダムハウス」,「リーダーズ+」が使えるので,通常の使用には不自由しないのですね.しかし,ワープロなどのソフトウエアとの連携が悪く,単語をコピーするとJammingが動き出す設定なので,割と邪魔くさい.
 Mac OSXが出たときには,辞典が搭載されていて,単語を反転させてマウス右クリック>メニューで「辞書で調べる」で内蔵辞典(「大辞泉」・「プログレッシブ英和・和英」・「OAD」)が引けます.一般の使用には十分なので,Jammingの使用頻度が減りました.

 ですが,(古)生物の名前や,地質用語・鉱物名などを使用する状況になると,とたんに不満が出てくるわけですね.
 PDICのHPで,Mac版を開発してくれるように,しきりにお願いしてました((^^;).


●ATOK for Mac
 Mac OSX (Leopard)にしたときには,EGBRIDGEが使えなくなりましたので,しょうがなくて「ことえり」を一年弱使ってました.
 「ことえり」のあまりのバカさ加減にあきれて,最後の手段であるATOKに手を出してしまいました.VJE>WX> EGBRIDGEに見放されて,ついにATOKです(ちなみに,atokとは,ペルー産のスカンクの一種だそうです).
 おばかな「ことえり」で一年弱も我慢したことで,どれほどATOKを使いたくなかったかわかるでしょ.でも,その反動でATOKは,快適だこと,快適だこと.

 簡単な辞書エディターもついてますので,こいつを「PDIC並みに使ってやれ」と考えてしまい,ユーザー辞書を鍛え始めました.

 「鉱物名辞書」は簡単に移動できました.
 こいつは結局失敗でした.マニュアルにユーザー辞書の構造の説明がないので普通に使う辞書と同じ辞書に書き込んでしまったのです.本来ならば,独立した辞書にしておいて,その手の文章を書くときにのみ「開く」といいようにしてあれば,同じATOKユーザに鉱物名辞書を分けてあげられたのです.
 ATOKの辞書エディターには,辞書を分離することができるような機能はないようです.「ことえり用出力」とかできれば,ユーザのためになると思うのですが,メーカは,そういうのは「損」と考えているようですね.

 問題はPDIC時代に貯め込んだ膨大な「(古)生物名」辞書.
 もちろん,地質学関連用語もありますが.
 これをJamming辞書に移すことは挫折してますので,PDIC辞書のままテキストで保存してあります(いつか,「PDIC for Mac」が出る日を待ちわびて…(^^;).
 とりあえず,生物の大分類(のみ)をATOK辞書に移しておこうと…,その前に,状況を確認しようとしたら,クラディズムを基本とする分類が(ホンの)少し公開されていることに気付き,今テーマにしている話が始まったというわけです.
 ま,要するに学名を整理しながら,辞書を鍛え直し,ついでにこれを話題にしてしまおうというもの.
 で,学名の整理をしながら,ブログを書いていたのですが….


●Logophile,登場

 そういえば,Jammingのアップグレード版の案内がきてたな,と思い出しました.

 これナンと読むのかな? ラテン語風ですね.
 英語の単語にありました.読みは「ラーガファイル」ですかね.
 ラテン語風に読むのなら,「ロゴプィーレ」ですかね?

 ラテン語ならば,philologia(プィロロギア)なんでしょうね.
 と,ドイツ語の「Philologie」は「文献学」で,英語の「Philology」は「言語学」だそうです.

 個人的には,ソフトの名称としては,「Jamming」の方が好きですね.ボブ=マーレィの熊倉一雄みたいなダミ声を思い出して((^^;).

 閑話休題.
 Logophileは,圧倒的に使いやすくなっていました.
 単語を反転させておいて,マウスの右クリック>メニューの一番下「Logophile」を選択すれば,Logophileが起動.登録辞書から該当の単語を示してくれます(欲をいえば,オリジナルの「辞書で調べる」の上にメニューを持って行けるとありがたいのですが…).

 おまけに,ユーザ辞書エディタもついてますので,私の目的にピッタリ!.
 少し残念なのは,エディタがまだ非力で,「言葉好き」の名の割には辞書整理とかがPDIC並みとはいきません.また,辞書ファイル変換がPDIC辞書に対応していないので,手動になります.
 まだ,ver. 1.0ですから,そのうち良くなるでしょう.
 強力なエディタがほしいですね.
 しかし,待っておられないので,辞書整理を始めてしまいました.
 ATOK辞書の方は,放置です((^^;)(WX>EGBRIDGで使ってた辞書は,もちろん移動しました.常用語辞書のことです.).
 もうひとつ,Mac OSX付属の辞典の使用頻度は減ってしまいました.ボキャブラリに少し問題があるのでね(数のことです).


●LSDが! Mac辞書で!

 さて,Logophileのユーザ辞書の整理中に(単語数があまりに膨大なので(^^;)飽きてしまい,LSDの新版は出ていないのかなと探ったところ,ありました.
 あったどころか,LSDはMac OSXの付属辞書上で使えるデータになってました(!(O_O)).

 これで,なんと,「Logophile」と「Mac OS 付属辞書の強化版」と二つの強力な辞書(ブラウザ)が簡単に使えるようになってしまいました.
 今までの手間暇の大部分は無駄になってしまったんですが,なぜかうれしい((∩.∩)¥).

 もっとも,LSDの生物関連ボキャブラリのほうは,現生種が中心ですから,化石種の方はオリジナルで作り直さなきゃならないのは同じです.
 そうすると,やはり,「Mac OS 付属辞書の強化版」よりは「Logophile」のほうが使用頻度は多くなるでしょう.でも,LSDの表示方式に関しては,「Logophile」よりも,「Mac OS 付属辞書の強化版」のほうが,明らかに見やすく理解しやすい!

 う〜〜ん,困った(明らかに,うれしい「困った」ですね(^^;)

 ということで,辞書整理の順番を考え直さなければならなくなりました.
 やらなくていい部分が増えましたのでね.
 でも,予定していた,

辞書の展開(6)
●旧体系と新体系の対比(3)superorder PREPTOTHERIA (顕獣上目)までへの流れ



辞書の展開(7)
●旧体系と新体系の対比(4)旧体系の「…目」から

 は,データが整理でき次第,続けますので,乞うご期待!
 って,誰も期待してないか((^^;)

 

0 件のコメント: