学名辞典(恐龍編)いじり(その7)です.
Saltopus elginensis Huene, 1910という恐龍がいます.
Saltopusはsalto-pusと分けられる《ラテン語》の合成語で,「踊る」+「足」という意味です.
saltoは,じつは日本語化しています.
体操競技で有名な技「ムーンサルト」は「moon-salto」と綴ります.これは和製英語とされてますが,和製ラテン語でもあります.moonは英語で,saltoはラテン語ですからね(salto=「踊る」は,salio =「跳ぶ」から派生したそうです).
より正確にラテン語化するとすれば,luna=「月」の語根[lun-]に,saltoの名詞形であるsaltusを合成して,「ルーン・サルトゥス[lun-saltus]」ですかね.
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語源的にはまったく関係がないようなんですが,似た言葉に「鮭」=《英語》「salmon」<《ラテン語》「サルモー[salmo]」と,「塩」=《英語》「salt」<《ラテン語》「サール[sal]」があります.
秋に,川に溢れるようにやってきて飛び跳ねる(=salio, salto)鮭(=salmo).一挙にやってくるので,獲ったあと保存には「塩(= sal)漬け」にするしかない鮭.
なんか関係があるような気がします.
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種名の elginensis は,産地であるスコットランドの地名[Elgin]の《形容詞化》で「Elgin産の」という意味.この標本はElgin地域の上部三畳系(後期三畳紀)の地層から産出しています.
なお,時計のメーカーとして著名なエルジン[Elgin]は,USA,イリノイ州のエルジン市にあったことから付いた名前です.たぶん,エルジン市の開基者がスコットランドのElgin出身だったんでしょうね.
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