1889: classis AGNATHA cope,
1927: division I. AGNATHI: Stensiö, (Berg, 1940, p. 351)
1934: (calde unknown) AGNATHI (cope, 1889): G. Säve-Söderbergh, 1934
1933: class AGNATHA: Romer, 1933 (Berg, 1940, p. 352).
1937: branch AGNATHA: Watson, 1937 (Berg, 1942, p. 353.)
注:ここで,各々分類群の定義に関しては,原著が入手不能なので,検討していません.検討を行ったのは,「名称」の意味についてだけですので,お間違えのないように.
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AGNATHA = a-gnatha =「無・」+「~顎《中複》」
AGNATHI = a-gnathi =「無・」+「~顎《男複》」
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《接頭辞》a-は否定のa-です.
《接頭辞》a-, an-=「非・,不・,無・」<[ἀ, ἀν]=《否定辞》
-gnatha, -gnathiは,元はギリシャ語の[ἡ γνάθος]」=《女》「顎,口」で,ラテン語の《合成後綴》化によってできた《変化形》です.
-gnathus = -gnath-us=「顎の」+《形容詞化接尾辞》
ここで,《形容詞》化されたものは,《三性変化》を行いますので,
《合成後綴》《形容詞》-gnathus, -gnatha, -gnathum=「顎の」(順に《男》《女》《中》)
《形容詞》は《複数》にも対応しますので,
《合成後綴》《形容詞》-gnathi, -gnathae, -gnatha=《複》「顎の」(順に《男》《女》《中》)
となります.
ここで,classis AGNATHAは「AGNATHA《中複》」の「classis(=「綱」)」(《名詞》classisを修飾する《形容詞》AGNATHA)という使われ方をしていますが,(ここは推測ですが)classis AGNATHAがclassisを省略して AGNATHAだけが用いられるという使用法がなされたと考えられます.そうすると,AGNATHAが《名詞》化して「顎のないもの」>これだけで「無顎類」として使用されるようになってしまいます.
まとめると,AGNATHA=《中複》「無顎類」ということになります.
同様に,AGNATHIは《男複》「無顎類」ということですね.
元もと,[ἡ γνάθος]」は《女性》なので,なぜ《男性》になったり,《中性》になったりするのがわからなかったのですが,こう考えると理解ができそうです.
しかし,著者によって《男性》が選ばれたり,《中性》が選ばれたりする理由はわかりません.
(2011.08.30:修正)
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