2011年9月2日金曜日

BERYCIDAE

family BERYCIDAE (author unknown)

BERYCIDAEはBeryxを模式属とする科です.
genus BeryxはCuvier (1829)が記載したことはわかっていますが,この名をいただく,科・亜目・目のすべてが「記載者不明」という,とっても不思議なグループです(とても科学の範疇にあるとは思えませんね:魚類分類学では,間々あるようですが…(^^;).
order BERYCIFORMES (author unkown)
suborder BERYCOIDEI (author unkown)

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そもそも,Beryxという用語自体の意味が不明.ある辞典には「魚の一種」とありますが,説明ではないですね.別な辞典には「絶滅した古代魚の一種」とありました.Beryxは現生種の「キンメダイ」のことなんですが….
「語源辞典・ラテン語編」の説明はもっと難解.語源辞典にも載っていないギリシャ語の単語で説明してあります(-_-;).
「<(βῆρυς =) κήρυξ, κήρυκος《男》反芻魚」

どうやら,キュビエがつくった合成語らしいのですが,その合成語のもとの語の意味が,入手可能な辞書には載っていないのでお手上げというところ.

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ともあれ,Beryxという「用語」が存在するという前提で話を始めます.

《NL》《男》beryx, berycis (bēryx, bērycis)=「キンメダイの類」

この《合成前綴》がberyc-, beryci- =「キンメダイの」.
これに,《科》を意味する《合成後綴》を付加して,
BERYCIDAE = beryc-idae=「Beryxの」+《科》

「~類似の形からなるもの」という意味の《合成後綴》-oidei《男複》を付加して,
BERYCOIDEI = beryc-oidei=「Beryxの」+「~類似の形からなるもの《男複》」
これは「亜目」として使用されているようです.

BERYCIFORMES = beryc-iformes=「Beryxの」+「~の形をしたもの《男複》」
こちらは,「目」として使用されています.

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別に,目名として,BERYCOMORPHIと BERYCOIDEIが提案されています.

BERYCOIDEIのほうは,上記「亜目」と同じ形(動物分類学では,現在でも「上科」以上のランクについて《語尾形》が決まっていない.ましてや,昔はやったもの勝ち状態なので).

BERYCOMORPHI = beryco-morphi=「Beryxの」+「~様のもの《男複》」
Beryxはギリシャ語ではないので,beryc-o-morphiではなく beryc-i-morphiのほうが正則だと思われますが,BERYCOMORPHI自体が,現在は使われていないので,問題外なようです.
 

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