2010年10月28日木曜日
「お馬鹿タレント」と「東大タレント」続き
大学入試は制度疲労をおこしてるみたいですが,大学そのものも制度疲労をおこしているようです.
歪んだ大学入試が高校の授業を歪め,たくさんの教科が選択になりました.
そのため,ほとんどの大学では,第一年目の学生に高校の補習授業を行っているそうです.なぜって,なんの話をしても,「あ,日本史とってない」とか「あ.世界史とってない」とか,「あ,物理とってない」とか,「あ,生物とってない」という学生が必ずいて,授業にならない(もちろん,地学を選択した学生なんて皆無に等しい).
学生のレベルを合わせないと,大学でやるような多少なりとも専門的な授業は不可能ということです.
某大学で,しばらくの間,地学系の授業の非常勤をしてましたが,近代地質学の成立の話をしたら,授業についてのアンケートに「なんで,地学で歴史の話をするのか」と抗議の声がありました.
わたしとしては,「西欧では産業革命が近代地質学を成立させた」,「日本に近代地質学が入ってきたのは,明治維新前のことで,この北海道が最初である」という話を授業のイントロに使ったつもりですが,高校では歴史が選択科目になってるので,基礎知識がなく,感情的に拒否反応を起こしたものらしいと,いまは思っています.
たぶん,それとおなじ様なことが,すべての分野で起こっているのでしょう.
大学レベルの授業を行おうとしたら,まず,高校程度の授業をやりなおして,学生のレベルをそろえてからでないと授業にならない,ということなんでしょう.
就職氷河期といわれてい久しい現在,酷いことに,大学生は四年生になると,大学の授業なんかそっちのけで就職活動をはじめるそうです.
つまり,四年生大学で大学レベルの授業を行えるのは,たった二年間ということになります.大学の短大化ですか.
やってたのが非常勤で,それをしなくなってからも久しいので,実情は噂で聞くばかりですが,なにか,大学で授業をするというのは,わたしにとって非常に「おもしろいこと」だったのですが,「また機会があったらやってみたい」というその「欲」がなくなっている自分に気付きました.
と,いいつつ,たのまれればなんでもやりますけどね((^^;).
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