「石炭」は日本独自の名称とされています.
中国では,古くから「煤[méi]」・「煤炭[méitàn]」と呼ばれ,現在でもこの言葉が使われています.
では,「石炭」という用語は,いったい,いつころ成立したのでしょう.
地質学用語の由来をしらべるのに便利な「地学の語源をさぐる」(歌代ほか,1978;東京書籍)という本があります.しかし,残念ながら,「石炭」については,書いてあることはあいまいです.
「漢の時代から文献に見える」とし「それには煤・石煤・また[石某](組み合わせで一文字.現在は使用されない)の字が用いられた」とあるだけです.
幸いなことに,江戸時代の本草学者(博物学者)の著作のいくつかが活字化されていて,入手可能ですし,ま,まれではありますが,図書館などに蔵書されている当時の本が,web上で公開されている場合もあります.
だいたい,こういう文献は“お宝”ですから,我々が見ることすら不可能な場合がほとんどで,事実の確認に障害になっています.
活字化された場合でも,あいまいなことが多く,混乱をまねく元になっている場合もあるようです.
それでも,いくつか検討することが可能ですから,やってみることにします.
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