2010年12月8日水曜日

地質学から見た北海道学

 
 ここ半月ばかり,某団体から依頼を受けて,「地質学から見た北海道学」というテーマで,講演をやってました.
 一回二時間で六日間.

 内容は,以下のような感じ.

Ⅰ)蝦夷と地質学=近代地質学の導入と北海道=
 1)前史:和地質学
  a) 蝦夷キリシタン=大千軒岳金山=
  b) 「山相秘録」by 佐藤信淵
  c) 冒険家たちの地質学
 2)本史:蝦夷地質学
  a) 箱館鉱山学校=近代地質学の導入=
  b) "Japan in Yezo" by Thomas Wright Blakiston:箱館戦争の勇者たち
  c) もうひとつの「日本地質調査所」=ライマン調査隊=
 3)後史:札幌農学校から北海道帝国大学理学部地質学鉱物学教室へ(調査中につき略)
  a)「地質測量生徒」の地質学=石川貞治・横山壮次郎の生涯=
  b)北海道帝国大学理学部地質学鉱物学教室,開室す.
  c)地質学の滅亡=北海道大学理学部地質学鉱物学教室,閉室.

Ⅱ)地球の時間=地球観=
 1)我々の先祖はいかにして地球を認識したか
  a)ゴーギャンの問いかけ
  b)自然史の系譜
  c)地質学と地球科学
 2)近代地質学の成立=山脈の研究
  a)聖書地質学
  b)(神がいなくても)地球は回る=アルプスの真実
  c)近代地質学の誕生
 3)地球の時間
  a)地球時間認識の歩み
  b)古生代・中生代の生物群
  c)地球時計・地球カレンダー

Ⅲ)化石の意味
 1)化石とは
  a)「化石」とは?
  b)ベリンジャー事件
  c)化石化作用
 2)生き物としての化石
  a)「生きている化石」の研究
  b)「絶滅してしまった古生物」はどうするか
  c)類縁の生物が見つからない古生物はどうするか
 3)記録書としての化石
  a)示準化石と示相化石
  b)化石による地層同定
  c)動植物と地質時代

Ⅳ)失われたものたち=北海道の化石・古生物=
 1)穂別の化石から
  a)長頸竜
  b)ウミガメ
  c)滄龍類
 2)同時代の道内の化石から
  a)翼竜
  b)アンモナイト
  c)イノセラムス
 3)道内の博物館から
  a)中川町エコミュージアム
  b)足寄動物化石博物館
  c)沼田町化石館

Ⅴ)我々の時代=第四紀=
 1)魔境へ
  a)魔境へ(フランケンシュタインの誕生)
  b)そして,魔境へ(アルプスと北極海)
  c)第四紀年表
 2)氷河期
  a)四つの氷期(?)
  b)氷期のイメージ
  c)氷河がもたらす変動
 3)新古生物学(現世生物学と古生物学の合体)
  a)ナキウサギ
  b)ヒグマ
  c)サケ

Ⅵ)北海道地質構造発達史=テーテュスの末裔の旅=
 1)テーテュス海
  a)パンゲア - パンタラッサ - テーテュス海
  b)テーテュス海の消長
  c)動物群の進出
 2)テーテュス動物群
  a)化石種
  b)現生種
  c)(略)
 3)北海道地質構造発達史
  a)穂別町地質構造発達史
  b)平朝彦「日本列島の誕生」
  c)北海道地質構造発達史

 最終回は今度の金曜日なので未了.

 いずれも,以前にやったことがある内容なので,それほど負担ではないのですが,しばらく放置してあったので,ブラシ=アップが大変でした.
 なにせ,ほとんどの図はイラストレーター10で作成したものなので,描き直そうそしたら,現在使用中のイラストレーターCS3はファイルの書き換えを要求します.
 ま,これが,メモリ足りない事件の始まりね(^^;.

 またこんな講演というか授業をする機会があるだろうかな~~.
 でも,久しぶりに充実してました.
 

2 件のコメント:

KOBAYASHI さんのコメント...

その節はありがとうございました。
おかげさまでスタッフは新たな視点を手に入れることができたと思います。今後もお願いすることがあると思いますので、よろしくお願いします!

ボレアロプーさん さんのコメント...

コメントありがとうございます.
気がつかないですみません.