1773(安永二)年に,「雲根志」前編が刊行されます.
石之長者・木内石亭の著したものです.
見出し語は「石炭」で,ここではじめて「よみ」も「
せきたん」になります.
記述は,これまでのものと大きく異なり,オリジナリティ豊かです.
明白に,「植物の変じたもの」と断定しています.
見出し語は「石炭(せきたん)」ですが,各地のローカルネームも紹介されていて,「ウシ(土ウシ,木ウシ)」,「からす石」,「石スミ」など.
石亭は「堅きものは石」,「半ばなるは木」,「柔なるは土」とし,(現代的にいうならば)炭質岩石および石炭と泥炭とに分け,いずれも植物が変じたもので,まったく異なるものというわけではないという認識です.
1801(安永八)年には,「雲根志」三編が刊行され,これにも「石炭」の項目があります.
読みはやはり「
せきたん」.
しかし,ここでは以前「ウシ」と表記していたものを「ウニ」に変え,「雲丹」の漢字を使っています.雲丹は「石雲丹」・「木雲丹」・「土雲丹」に三分され,薪代わりに用いられるのは「木雲丹」であるとしています.
気になるのは「本草綱目曰石炭昔人不用」とあること.本草綱目には,やはり「石炭」とあったのでしょうか….
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