ここしばらく,陰陽道に関する本をまとめて読んでました.
しばらく放り出している間に,わかりやすい「陰陽道」および「安倍晴明」関連の本がたくさん出ていました.
例の「晴明ブーム」のおかげで,大量のオカルト本が出版されたわけですが,これらがあまりにもひどいので,まじめな研究者の側から,この流れを修正すべく出版が相次いだようです.
もっとも,まじめな研究者の側も,かなり「ブーム」にのった様子が認められますが…((^^;).
最初に読むべきは,やはり,前に紹介した田中貴子「安倍晴明の一千年=「晴明現象」を読む=」でしょう.取っつきやすいので,あっという間に読めるかと.
ただし,これでは,もちろん,「陰陽道」そのものに関しては,あまりよくわかりません.しかし,「晴明ブーム」で定着した「安倍晴明」の姿は虚像であることはよくわかります.
次に,読むべきは鈴木一馨「陰陽道=呪術と鬼神の世界=」でしょうか.
ただし,わたしはこれを読んでいて腹を立ててました((^^;).
ちょっと難しいことは軽く流してあるし,簡単なことは回りくどく説明してあるので,イライラします.ひょっとして職業は坊主なのかなと,思わせました.それなら,「肝心なことは曖昧に,簡単なことは回りくどく」という文章も理解できます(いいすぎかな(^^;).
しかし,この本が「陰陽道」について,オカルトを離れて客観的に記述した,ほぼ最初の一般向きの本であるというのは評価すべきことで,文章の癖はガマンして読むしかないですね.
それにしても,もっと文章を推敲してほしいし,推敲する余地がたくさんあると思います.
そんな本です.
上記二冊は講談社選書メチエから.
学研のエソテリカ・シリーズとはひと味違う((^^;).
さて,概略がつかめて,陰陽道および安倍晴明が理解でき始めたら,斎藤英喜にチャレンジすべきです.
「安倍晴明ー陰陽の達者なりー」および「陰陽道の神々」を,よめば,かなりの「通」になれます.残念ながら,わたしの頭脳はin-outの効率がすごく悪くなっているので,もう「通」にはなれないみたいです.
いま,村山修一「日本陰陽道史話」を読みなおしていますけれど,読み終わったら,もう一度,上記の本を読み直し,それから藪内清やニーダムの本に戻ってみようと考えています.
結局,古代中国地質学史の勉強に戻ることになるな.
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