2012年2月27日月曜日

貧乏再生産の法則

公共施設などの屋根に溜まった雪が,施設そのものを押しつぶす事故になって,新聞紙上を賑わせている.

われわれの学生時代,あまり裕福な仲間はいなかった.
普通は,学生の引っ越しといえば,リヤカー一台あれば,充分間に合った.そんな時代だった.
現代のように,あまりに家財道具が多いので,一度入居したら卒業までは引っ越すことがないのが普通というのが信じられない.

そんな時代に造った言葉が一つ.
「貧乏再生産の法則」

お金がないからといって必要なお金を使わずに,適当に間に合わせていると,後でもっと余計な出費を余儀なくされることをいう.

このことを自虐的に,かつ得意げに友人に話したら,それは「貧乏拡大再生産の法則だ」という.
貧乏は貧乏を産むのではなく,もっと非道い貧乏を産むというわけだ.

壊れた施設の管理者のいい分を聞いていて,このことを思いだした.
曰く「予算がないので」.
曰く「現在は使用していないので」
曰く「危険を察知したので,近日中に雪下ろしをする予定だった」

管理者の都合なんか関係なく,雪は降り積もり,放置された施設は押しつぶされてゆく.
余計な出費を余儀なくされる.

まさに,貧乏拡大再生産の法則だ.

我が町にも雪は降り続く.
住宅街の車道は両側で一車線に.
歩道は既にない.
歩行者は危険な車道を歩くか,元の路面より50cm以上は積み上げられた雪の上を歩くしかない.

悪質な業者が,歩道に雪を積み上げ,橋の上から雪を投棄する.
庶民は,住宅の隙間に,雪を積み上げてゆくしかない.

いずれ,大きな出費(もしくは,それに近いもの)を余儀なくされるだろう.
  

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