2008年5月11日日曜日

恐龍はなぜ滅んだか

「恐竜はなぜ滅んだか」(小畠郁生,1984著,岩波ジュニア新書87)
「恐龍はなぜ滅んだか」(平野弘道,1988著,講談社現代新書906)





 奇しくも同じ「題名」.実は二人の専門は,これも奇しくも「アンモナイト」.
 中身はだいぶ異なります.

 平野さんのほうは,題名どうり「恐龍」全般を解説しているのに比べ,小畠さんのほうは,もっと幅広い「古生物」に関する解説が伴います.これは,小畠さんの本が「ジュニア新書」で子供向けであるのに対し,平野さんの本は一般向けであることに関係があるのでしょう.

 さて,問題の「恐龍がなぜ滅んだのか」ということに関しては,二人の表明は大きく異なります.平野さんのほうが,かなりの紙面をとって様々な絶滅原因説を解説しているのに対し,小畠さんのほうはごく簡略に済ませています.

 この当時は,まだチチュルブ隕石孔は発見されていませんので,二人とも「何にしろ,環境の変化が原因」と済ませているところが面白い.

 チチュルブ隕石孔の発見は,非常にインパクトがありますので,ここの部分は書き換えないと両著とも,もう顧みられることはないでしょう.

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