「日本列島の誕生」(平朝彦著,岩波書店(新赤版148))
4/28の湊・井尻「日本列島」の現代版ですね.
某博物館に勤めていたとき,日本列島の地史をヴィジュアル化しなければならなかったんですが,苦労に苦労を重ねて,やっと出来上がったあとに,この本が出版されました.
知らない人にパクったといわれました.(^^;
当時は,古地理図などは湊正雄(編)の地向斜造山論に基づくものしかなくて,PT論に変換するのが大変でした.この頃はすでに,地向斜造山論はゴミ同然の扱いを受けていたんですけどね.それでも,博物館では延々と地向斜造山論に基づく“古地理図”を表示していたものでした.それしかなかったからですが.
実際にこの作業をやった立場から見ると,地向斜造山論もプレートテクトニクスも大して変わりませんでした.学者の論争ほど違いがある訳ではないんですね.
詳しいことは,そのうち機会があれば説明しましょう.
この本も,丸山・磯崎の「生命と地球の歴史」と同じで,“教科書”ですね.読んで面白い本じゃあないんですね.地質学の素養があれば別ですが.
このあたりが,湊さんの本と違うところでしょう.
今見直していたら,この当時はまだ,井尻・湊の「地球の歴史」が生きていたようで,裏表紙の見返しに広告が載ってました.
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