2013年12月12日木曜日

「先生はアイヌでしょ」

 
荒井和子著「私の心の師 先生はアイヌでしょ」を読んでみた.

   


不謹慎だといわれるかもしれないけど「昭和」を感じてワクワクしてしまった.

なぜ,この本を読む気になったかというと,ある書評に“アイヌの居住地であった近文付近になぜ和人が住むようになったか”が書かれているというのを信じたてしまったからだ.
じつはそういう話は,ほとんどなかった.その後の話なのだ.
一(いち)アイヌ人女性教師(著者)の経験が綴られているだけの本だった(もちろん,その話は読み応えがあります).

それでも,近所の小中学校や今でも存在する個人病院の名,橋,その他地名が出て来て…,ちょっと私の子ども時代より少し先行しているのだけれど,重なる部分もあり非常に懐かしかったというわけだ.
今よりもはるかに貧しかった時代の話です.アイヌも和人も.

じつは,この本は「後編」であって「前編」がすでに出ているという.調べてみたらすでに絶版だった.
そのうち図書館から借りて読んでみようと思う(時間的制約が多いので売ってるもんなら買いたいのだけれどね).アイヌ差別の生活感あるヤツがでてくるだろうと思う.

問題の,アイヌ居住地だった石狩川以西に和人が大手を振って住むようになった経緯については,「旭川・アイヌ民族の近現代史」を読みなおしてみることにしようと思う.こちらは「記録」的で生活感(リアリティ)がないんだよねえ.

   

2013年12月9日月曜日

訃報

 
北川芳男さんの訃報が入りました.北川さんは北海道大学理学部・地質学鉱物学教室・第二講座の出身でもありますし,北海道開拓記念館の学芸部長を長く務めた人でもあります.どちらにしても,わたしの大先輩(同じ講座,同じ学芸員として)でありました.

わたしが学生のころから,よく湊正雄(北大名誉教授)教授の部屋に出入りしていらっしゃいましたし,さまざまな地質巡検や化石の調査でも,よくお会いしました.学生の顔や名前もすぐに覚えて,気さくに話しかけてくださいました.ぜんぜん偉そうな態度を示さない方なのに,あとで第二講座の助教授だったとか,現役の開拓記念館・学芸部長だとか聞いて,驚いたものです.

学芸員になってからも,さまざまなところで援助いただきました.たぶん,第二講座の先輩としては,一番お世話になった方だろうと思います.

ご冥福をお祈りいたします.
 

2013年12月8日日曜日

北海道の登山史

 
フラリと寄った,博物館のショップで高澤光雄「北海道の登山史」を買った.
期待してなかったけど,一ページ目から興味深いことがたくさん.読み応えありそう.(^^)
利尻山初登頂(?)のエピソードはワクワクしますね.



以前,「日本の登山史」とかいうバカ高い本を買ったけど,北海道の山については,まるで記述がなかった.「北海道は日本じゃあないのかよ」とツッコミを入れたかったが,偏見の持ち主には通じるわけないね.

   

さて,最近は目が疲れて,長時間の読書はできないけれど,楽しめそうな本です.