2008年2月10日日曜日

古生物学の歴史



 ようやっと,「わかり難い」・「回りくどい」と,文句をたれながらも,コーエン, C.(著)「マンモスの運命」を読み終えました.
 この本にも,前から気になっていたルドウィック, M.(著)「化石の意味=古生物学史挿話=」が参考文献として載っていました.こりゃあ読まざるを得ないベ.と,いうことで入手して,読むことにしました.



 「マンモスの運命」は,ほとんどすべてを,「化石の意味」に負っている(「化石の意味」を,マンモスを軸にして,再構成したというところでしょうか)ようです.苦労して「マンモスの運命」を読むよりは,最初から「化石の意味」を読んだ方がいいでしょう.こちらの方が,日本語もこなれています.
 ただし,非常に残念なことに,「化石の意味」は絶版あつかいなので,すでに入手不可.古書店でも,入手しづらくなっています.これは,是非とも復刊して欲しい本の一つですね.

 「化石の意味」は,古生物学を足場にしているので,我々にはよりわかりやすくなっています.
 しかし,この本の著者はヨーロッパ人であるために,“化石観”の進歩の背景にあるキリスト教の影響については説明不足の感が否めません.かれらにとっては常識だからでしょう.キリスト教が社会だけでなく人間の精神をも拘束していたということは,われわれ東洋人には,なかなか理解しがたいことなので,このあたりを理解するためには,松永俊男の“ダーウィンをめぐる世界”についての一連の著作の方がわれわれにはわかりやすいですね.

 「化石の意味」の発行は1981年でした.
 なんで,同時期に,この本を読んでいないのだろうと考えました.ちょうど,大学院・博士課程にはいったころで,個人的には精神的な余裕はあったはずです.ですが,教室内では,この本は話題にもならなかったですね(今考えると,その理由は何となくわかりますが).
 その後は?つまり,博物館に務めてからは?
 学芸員に勉強なんかするヒマはありませんよ.(^^;

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

なにかしらの縁があって、熊本で有孔虫の分類・同定の修行をしています。まず驚いたのが砂粒ほどの生き物がたくさん身近な海に存在していて、種の個体がそれぞれ相似形であること。さらなるオドロキはそれぞれに名前がついていること。顕微鏡の発達した修道院で地道に進められてした記載が学問となった経緯をたどって、貴ブログに参りました。

プー さんのコメント...

お目に留まりまして,光栄です.
じつは,私も大学院時代は微古生物学をやってました.石灰質超微化石や放散虫ですが.
こういう美しいものを見てしまうと,何らかの形で,感動を残しておきたいと,ヒトは思うものだと思います.

これがサイエンスの始まりであろうとも,思います.

今を時めく,「某・地球の理論」だって,ん10年も経てば,新しい理論に取って代わられてしまうのは,火を見るより明らかですが,たった一個の化石の記載は,人類が科学をやっている限り,残るものです.
歴史が証明しています.