2010年9月5日日曜日

「傷はぜったい消毒するな」

 
 先日の「感染症は実在しない」という本と一緒に借りた本が,マイナス分を取り返すほど,非常におもしろいので….

 それは,夏井睦「傷はぜったい消毒するな=生態系としての皮膚の科学」(光文社)です.
 まだ読書途中ですが.

   

 書かれていることの真偽は,あたしゃあ医者じゃあないのでわかりません.が,この本には,「パラダイムシフト」の非常におもしろい例がいくつも示されています.まじめで深刻な本なのに,笑いながら読んでます.

 「パラダイム」という用語には,もともと,いろいろな用法,意味がある*のですが,この本の著者は,「ひとつの盲信」と考えているようです.つまり,「パラダイムシフト」とは,「ひとつの盲信から,べつの盲信に変わること」ととらえているわけです.

「するって〜と,なにかい? ご隠居.」
「PT論者がよく使う「PT論は新しいパラダイム」という言葉の意味は,「PT論はあたらしい盲信」という意味かい?」(長屋のクマさんの口調で)


 そうでしょうね.わたしらはずーっと,「地向斜造山論」も,「PT論」も,「仮説」に過ぎないって,いってましたけどーっ.語尾に「論」がついてるしー.
 歯に衣を着せぬいい方をすれば,「仮説とは証明されていない盲信」に過ぎないともいえるでしょうね.

 後半,もっとおもしろいことが書かれてそうなので,読書を続けます((^^;).


* 中村雄二郎「術語集=気になることば=」(岩波書店)など

   
 

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