2010年3月24日水曜日
プリズム
歴史はプリズムのよう.見る方向によって見え方が違う.
誰がいったのかは知りませんが,確かにそう感じるときがあります.
今日はヘレン=ミアーズ「アメリカの鏡・日本」について.
前回のラルフ=タウンゼントはUSAの愚行を告発するという色合いが濃かったですが,ヘレン=ミアーズはそうではありません.
USAの側から見,日本の側から見,冷静な世界観を提唱しています.
タウンゼントには歴史観を脅かされましたが,ミアーズにはもっと深く冷静に歴史を見るべきであることを教えられます.
なるほど,マッカーサーが,この本を封印したわけが,よく分かります.
ひと言で言うと,「かわいそうな日本」
欧米のダブル=スタンダードに翻弄された「哀れな日本」が浮かび上がります.
欧米はやってもいいけど,おなじことを日本帝国がするとそれは「犯罪」だったのです.
オリンピックはもうだいぶ前に終わりましたね.
なにか,金(かね)にあかせて大量の選手団と役員団を送り込み,結果はまたもや,いまいちでしたが….
スポーツの世界でもルールが変わるということは頻繁にあるようです.
戦後,国際大会でも日本人がようやく勝てるようになり,日本にも世界レベルの選手もいることが示せるようになりました.
ところが,日本人選手が連続して「金メダル」を取ったり,「メダルを独占」したりということがあると,そのスポーツのルールが変わるということがしばしばあった(という人がいます.私は知りません.あまり興味がない).もちろん,公式には日本人がどうのこうのということではなく,選手の安全のためとか,より高度なスポーツにするためとかいう理由らしいですが,「どうも怪しい」と感じる日本人は多かったようですね.
今年の,冬季五輪では,浅田真央選手とキム・ヨナ選手の金メダル争いの余波で,日本人フアンと韓国人フアンの間で,主にネット上で争いが起きたようです.
しかし,そんなことをしている場合でしょうかね?
もともと,欧米で始まったオリンピックです.アジア勢がメダルを独占するなどという事態が続けば,またぞろ,欧米のダブル=スタンダードが顔を出すかも.
話を戻しますと,優秀な民族の集まりである欧米人(自分たちがそういっていた)には,劣等民族の集まりであるアジアを支配し,彼らを導くのは当然の義務でした.ま,外見上は植民地支配ということになります.
当時は,それが当たり前でしたから,欧米の優秀な生徒だった日本帝国も,ほぼ同じことをしました.表向きは,アジア各国の欧米からの独立を支援するということでしたけどね.
かくて,日本は勝てるわけのない戦争の泥沼に,どんどん踏み込んでいきました.
こういうと,日本は正しかったといっているように見えますが,そうではありません.欧米のルールがどうであろうと,それにのっかった日本は,やはり間違いを犯したのです.行った先の国々あるいは民族がどういう性向の持ち主か知りもせず,日本人と同じような考え方や行動をすると決め込むのが,間違いです.
昔,インドネシアを旅行したとき,ガイドの人が言ってました.
その昔,オランダが支配してたとき,われわれは「オランダ人万歳」と言ってました.日本人が来たとき「日本人万歳」と言いました.でも,心の中では,どっちもさっさと出てって欲しいと思ってました.と.
まったく,その通りでしょうね.
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