2011年12月26日月曜日

「放散虫」について(チャートとの関係)

チャートとの関係は
a) 図2-6:「白亜紀後期四万十帯の形成過程」(平朝彦,1990「日本列島の誕生」)より

・海底地形:「白亜紀後期四万十帯の形成過程」>これは四国の例
 >北海道の例で説明したいが「ない」>大筋は同じなので,参考に

●図の「1億3000万年前」に注目:中央海嶺で「プレート」が作られる
・玄武岩の熔岩は「ドロドロ」流れる(例:ハワイのキラウエア火山の噴火)
>海中で流れると瞬時に外側が冷やされる>チューブ状になって流れる>「枕状熔岩」の形成

・「富良野採石」:同時期に造られたものが,この上川盆地(富良野盆地)でも見られる
>富良野市にある採石場の跡:壁に見えるウロコ模様>枕状熔岩が重なったもの

・これは「海底火山噴火」の“化石”>噴火の記録が残っている
そこで,石灰質ナンノプランクトンが降っている様子が描かれている>マリンスノー
TVの映像で「マリンスノー」を見たことがあると思うが,陸から遠く離れているので,陸からの砂・泥がとどかない>プランクトンの遺体のみが積もる>海底に沈積して「ナンノ石灰岩」を形成する

●図の「1億1000万年前」に注目:
・こんどは「マリンスノー」として「放散虫」が降っている
>じつは石灰質ナンノプランクトン(=CNP)も「降って」いるのだが,石灰には特殊な性質がある
:ある程度以上深い海では,溶けてしまう>その限界を「CCD」と呼んでいる

・プレートに載って移動している最中に,海底面が深海まで行ってしまう(CCDより深い)
>放散虫は残るけど,CNPは残らない
>積み重なった放散虫は,続成作用によって徐々に「チャート化」する.

●図の「1億年前」に注目:
・徐々に陸地に近づく>陸からの細粒砕屑物(泥)が混じる

●図の「8500万年前」に注目:
・どんどん陸に近づき,陸上からの砕屑物(火山灰/泥)が付け加わる

●図の「7000万年前」に注目:
・プレートが海溝から沈み込んでいる

b) 図2-9「白亜紀後期西南日本の復元」:図2-6の「7000万年前」の拡大図と考えるとよろしい

・大陸棚を伝って落ちてくる「タービダイト」(礫・砂・泥が懸濁したもの)
>春の雪解け水・嵐・巨大地震などが起きると,「タービダイト」が発生する

・当時の沿岸では,長頸竜やモササウルス,アンモナイトなどが泳いでいる>「タービダイト」からは,その化石が発見される:上川盆地では見つからないが,南の富良野盆地周辺や北の名寄盆地周辺では見つかる

・海溝で>プレートは,マントルへと沈み込む
>全部が沈み込むわけではなく,上にのせていた地層を大陸棚に残して行く>「付加する」=>「付加体

>巨大地震が起きたりすると>大陸棚にあった(その昔,Pによって運ばれてきた古い堆積物が,剥落して落ちてくる)>しばしば,「ブロック」として,あるいは構造もわからない「グチャ」として

こういう連続した事件を総合的に図にすると
c) 図2-7:「柱状図」のようになる
一番下に,枕状熔岩-ナンノ石灰岩-徐々にチャートに移り変わり-陸から来た堆積物が増えてくる
・×××山(実名削除)=上川盆地東側あたりで見られるのは「層状チャート」~「頁岩」の部分

こういった「運動」の影でなにが起きているか….
●石油の起源
・大まかな形は,先ほどの海底地形と同じ
・陸上に近いところでは,陸からの植物遺体が集積して「石炭」ができる
●海洋では,プランクトンが大発生>「海山の影響」・「暖流寒流の衝突=潮目」など
>マリンスノーとして沈下>酸素が消費>腐泥の形成
>この有機物が地層中に取り込まれ,より単純な有機物(ケロジェン)に変化し>のちに石油になると考えられている
石炭・石油=エネルギー資源:われわれは,過去の微生物や植物の遺産をつかって文明を築いている.

(このあと,「放散虫化石を取り出しにくいわけ」について説明しましたが,ブログでは省略します)

2 件のコメント:

中嶋 さんのコメント...

CCDの話、知りませんでした。ありがとうございます。
チャートの色の違いの原因もわかり、かなりすっとしました。

ボレアロプーさん さんのコメント...

説明が,いい加減でした.
CCDはCarbonate compensation depthまたはCalcite compensation depthの略で,日本語では「炭酸塩補償深度」と訳されています.
むかしはCCCD = Calcium Carbonate compensation depthともいったと思うのですけどね.
まあ,石灰分が溶けるのと析出するのとバランスがとれている深さのことで,それ以上深くなると石灰分はみな溶けてしまうので,堆積しなくなります.