2011年12月14日水曜日

「放散虫」について(前振り)

===「前振り」1===


●地質年代表:(一般市民相手なので,大まかな「地質年代表」を示し,概説しました)
・大学で授業をおこなうときには,必ず一コマは当てます;地学を専攻している学生の場合は二コマ.
 地質学に関係した事項を説明するときに必ず必要になるから>地質時代の名称とその長さ・古さに注目


・「地球の歴史全体」の表
・累代>「隠生累代」と「顕生累代」
 「隠生累代」:生命の痕跡がほとんどない>生命が隠れている時代
 「顕生累代」:生命の痕跡がたくさんある>生命が顕著な時代
・「顕生累代」を拡大>「古生代」・「中生代」・「新生代」に分けられている
 「古生代」:古いタイプの生物の時代=主に無脊椎動物の時代
 「中生代」:中くらいのタイプの生物の時代=爬虫類の時代
 「新生代」:新しいタイプの生物の時代=われわれ「哺乳類」の時代

・中生代:「三畳紀」・「ジュラ紀」・「白亜紀」に分かれている
 「ジュラ紀」:映画「ジュラシック・パーク」以来,市民権を得ている>でも,実際に出演した恐竜は,ほとんどが「白亜紀」のもの.

・「新生代」:「第三紀」・「第四紀」に分かれている
 「第三紀」が二分>「古いタイプの哺乳類」と「新しいタイプの哺乳類」の時代に分離
 「第四紀」:われわれ「人類の時代」
 こういう概念ができてから,かなり時間が経っている:人類の化石の発見が相次ぐ>人類の時代の始まりが古くなっている:表が再編成されている最中>もう,「第三紀」は使われなくなる

===「前振り」2===


●「町内の自然を歩く」:6~7年前,町内の子どもを集めてやった,イベントの資料(「絵はがき」仕様)
 >町内で見ることができるものだけで,どのくらい時間を遡ることができるか
 >サブタイトル「ご町内は,タイムマシン」
 子どもは,もうそんなことには興味がない>「恐龍」より「モンスター」の時代
 >>没>>…(^^;



●「神居古潭」の岩石:上川盆地内では,古くからある家では,庭石として普通につかわれている
●1/50000地質図:「旭川」&「当麻」を提示
 「青色片岩」と「緑色片岩+黒色片岩」は,上川盆地の東側では見られない
 「赤色チャート」は普通に見られる.

「放散虫」:上川盆地では,じつは珍しくないもの>ほぼ,いつも見ているのに気付かない>微化石の微化石たる所以

●赤色チャートの絵はがき
 チャート自体は,上川盆地の住人には見慣れたもの:
(絵はがきの)左下:チャートを薄片にして岩石顕微鏡で見たもの
  >白い粒>「放散虫化石」(大きさ0.1~0.4mm程度)

(絵はがきの)右下:チャートを溶かして洗い電子顕微鏡で見たもの
  >スポンジ状:丸いもの,三つの枝,タケノコ…
  >うまく処理すれば,見ることが可能

===「前振り」3===


もう一つの例●新生代放散虫化石
こちらは,上川盆地ではなくて,空知平野の河原に普通にある泥岩からとりだしたもの:わたしが学生(大学院)のころやったもの(30年ぐらい昔に撮影した「銀塩」写真)

●放散虫写真
 新生代(哺乳類の時代):数百万年前(ごく新しい)>母岩が軟らかい
 >取り出すのは,そんなに大変でない;保存が良くて,表面がきれい

二枚ずつ写真がならんでいる:立体写真ではなくて,顕微鏡サイズでは大きい>厚みがあるのでピントが全体には合わない>中心部の構造がわかるものと外側の模様がわかるものと…

●形に注目
右側:“球”形:中に別の玉が入っている>三重構造
右下はだいたい球形;上下に棘>縦に長い>この中にも玉がある

左;“タケノコ”型
左上:小さい玉(上に棘)>少し大きな玉が続き>さらに下に向かって開いている
左下:似たような形>棘が折れている;折れているけど足がある
(下にくっついているのは,珪藻の殻)

“玉”型と“タケノコ”型は,放散虫の大きな分類基準

0 件のコメント: