2007年4月19日木曜日

間宮林蔵の資料(2)

 4月6日付,「間宮林蔵の資料」で,「現在入手可能な林蔵についての資料は,洞富雄(1950)『間宮林蔵』(人物叢書新装版;吉川弘文館)のみ」と書いてしまいましたが,間違いでした.
 赤羽榮一(1984)「未踏世界の探検◎間宮林蔵」(清水新書036)というのが,市販されています.これは,中表紙裏に「本書は『人と歴史』シリーズの『間宮林蔵』として,昭和四九年に刊行したものです」と,あります.多分これは洞富雄(1950)『間宮林蔵』に,赤羽栄一「間宮林蔵〔東方地理学の建設者〕」としてリストアップ,かつ赤羽栄一「間宮林蔵ー北方地理学の建設者ー」(清水書院)として「新装版重刷付記」で引用されているもののことだと思われます(それにしても,なんでこんなに副題が違うのだろう).

 昭和四十九年刊なら,もう市販されてないだろうという予想を裏切って,復刻されていたものですね.読めばますます,洞富雄(1950)『間宮林蔵』(とくに付記を読まずに本文だけを)読んだだけでは拙いと思わされます.
 かなりの激論があったようで,これらを理解するには学会誌に書かれたものも読む必要があるようです.議論を理解したいわけじゃあなくて,林蔵の行動・能力・業績を理解したいだけなので深入りしたくありません.
 でも,だれか専門家に整理してもらわないと,林蔵の生涯は実は疑問符だらけのままということになりそうですね.

 もう一つ出てきた疑問が,ほかの著者と解釈が異なっている部分は強調されてますが,共通している(したがって,史実と合意されている)部分はいったい誰が最初に提案したものか,さっぱりわからないことです.
 歴史学というのは先達の業績に無頓着なのか知らん.

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