2011年6月12日日曜日

エコ

 
摩訶不思議な言葉がまかり通ってます.
それは「エコ」.
またぞろ,企業(+マスコミ)がつくり出した「不可思議用語」ですね.
この「エコ」には,さまざまな都合のいい意味に使われていて,定義がないんですね(「マイナスイオン」みたい?).

「となりのおうちに塀ができたってね.」
「エコだね~~」
なんて会話も…(ウソだね(^^;).


たぶん,多くの人が「ecologyのことだ」と思い込んでいると思いますが,どちらかというと企業が絡んでいますから「economyのこと」でしょう.「節電」といえば,電気を使わないようにすることではなく,わずかばかりの省電力傾向がある電化製品に,(まだまだ使えるのに)どんどん買い換えてゆくことなんですから.
安易に「車」に乗らないようにすることではなく,「(原発がつくった)電気」を消費する車に乗ること(これは,ステータスと化している).
ま,どっちにしても「地球に優しい」なんて意味はありませんね.

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さて,これらecologyとeconomyは,じつは同じ語源をもっています.
それは,ギリシャ語で「家,住居.生活の場所」の意味を持つ「オイコス[οἶκος]」です.

ギリシャ語の「オイコス[οἶκος]」に「慣習」という意味を持つ「ノモス[νόμος]」が結びついて(もちろん「家の慣習」という意味ですが),「家主.執事」を意味する「オイコノモス[οἰκονόμος]」という熟語ができました.家の慣習をキチンと守る人という意味ですかね.これが変化して「オイコノミアー[οἰκονομίᾱ]」=「家計.経済」になったわけです.家を守ることは家計を守ることですか.
「オイコノミアー」は,ラテン語化して「オエコノミア[oeconomia]」になり,フランス語化して「エコノミ[économie]」となり,英語化して「エコノミー[economy]」になったわけです.

一方,「オイコス[οἶκος]」に,ギリシャ語で「語ること,言葉,言語.数えること」の意味を持つ「ロゴス[λόγος]」をあわせます.これをラテン語化するとoiko-logiaになりますが,ヘッケル(独)はドイツ語化して「ökologie」と造語しました.1866年のことです.これが「生態学」の始まりですが,意味はどうやっても「家庭の言語」にしかなりませんね.ここでは,「生活の場所=(系)」という意味が強調されているのでしょう.
それに,-logia《ラテン語》(-logie《独》,-logy《英》)は「言語.言葉」の意味しかないんですが,意訳して「~学」とされ,たくさんの「~学」という「ラテン語化」がなされています.

さて,ドイツ語の「ökologie」は,英語化されて,当初は「oecology」と綴られていたのですが,簡略化して「ecology」になりました.当初は「生物環境を解析する学問」だったわけです.
「地球に優しい」とか,「企業活動に協力を」なんて意味はどこにもないでしょ.

つまるところ,エコロジーもエコノミーも「家庭内での出来事」が,もとだったわけですね.

エコロジーの方は,まだまだ進化(?)します.
のちに「人間生態学[human ecology]」とか,「社会生態学[community ecology]」とか,だんだん怪しげな用い方をされるようになり,ついには,「自然環境保護運動」なんて,まるで関係ないものまで“エコロジー”と呼ばれるようになります.
ここまでくると,あくまで「和製英語」と認識し,「エコ」といったほうが正確になりますね.「エゴ」でもたいしてかわりありませんが….
 

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