2011年6月10日金曜日

PTERASPIDOMORPHI

class PTERASPIDOMORPHI Goodrich, 1909


1909: class PTERASPIDOMORPHI Goodrich,
1909: order 1. † PTERASPIDOMORPHI Goodrich, (Berg, 1940, p. 348)
1930: order PTERASPIDOMORPHI: Goodrich, (Berg, 1940, p. 351)
1927: subclass A. PTERASPIDOMORPHI: Stensiö, (Berg, 1940, p. 351)

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PTERASPIDOMORPHI = pteraspido-morphi=「Pteraspisの」+「~様のもの《男複》」=「Pteraspis様類(翼甲様類)」

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PTERASPIDOMORPHIはgenus Pteraspis Kner, 1847を冠とする分類群名称の一つです.
ただし,疑問がひとつあります.Pteraspisの語根はpterasp-であって,pteraspid-ではないと思うのですが….

Pteraspis = pter-aspis=「翼状の」+「丸い楯」

pter-は,ギリシャ語の[τό πτερόν]=《中》「羽,翼」が,ラテン語の《合成前綴》化したもの.

-aspisは,ギリシャ語の[ἡ ἀσπίς]=《女》「丸い楯,楯;重装歩兵;エジプトコブラ」が,ラテン語の《合成後綴》化したものです.

あわせて,「翼状の丸い楯」の意味.ただし,Pteraspisは「丸い楯」状でもないし,「翼」=「鰭」のようなものも特徴的ではありません.
この場合は,本来の「丸い楯」ではなく「盾」=「装甲」の意味で,普通の魚にある「鰭」ではなく背鰭の位置にある針状突起のことを意味しているようです.

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さて,Pteraspis の語根 pterasp- が分類群名称を造る《合成後綴》と結びついて各分類群名称を造ります(変な日本語(^^;).
ところが,実際には,pteraspid-も使用されているようです.というよりは,こちらのほうが多い.
たとえば,《科》をつくる-idaeと結びついた分類用語には,
family PTERASPIDAE Claypole, 1885
family PTERASPIDIDAE Woodward, 1891

の二つが見いだされます.
上位分類群の名称では,
order PTERASPIDIFORMES Berg, 1940
order PTERASPIDOMORPHI Goodrich, 1909

が見つかりますので,pteraspid-のほうが多いわけです.でもこれだと属名はPteraspisではなくPteraspidusだったことになるんではないかと思うのですが….
だから,あるべき姿では
order PTERASPIFORMESだと思うんですけどね~~.
下記は,使われていませんけど,もしさらに上位分類群名称として使われるならば,
class PTERASPIMORPHA

文法学者の意見を聞いてみたいところです.
ま,実際の言語なんて,文法通りになんか,ならんもんですけど.

(2011.09.18.:修正)

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