2013年2月4日月曜日

Scaphitesの展開(Ⅴ)

 
1947年には,スカファイテス群の先祖形と思われるエーオースカファイテス[Eoscaphites Breistroffer, 1947]が記載されています.「発見されています」と書きたいところですが,発見から記載までは「間」があるのが当たり前.研究には時間がかかるんです.
「研究なくして知識なし[No study !, no knowledge !]」(私の造語です(^^;)というわけです.
形から見ると,とてもスカファイテス群には見えませんが(あとから記載された方, 1d, eは別),たぶん,アンモナイトの分類に重要であるとされる縫合線の形が共通しているんでしょう.

さて,「エーオー・」は,ギリシャ語のエーオース[ἠώς]=「曉の女神;朝焼け,曙光」のことで,「始めの,新しい」という意味で使われる接頭辞です.しばしば「エオ・」と使われますが「エーオー・」が正しい.
この「エーオー・」は,日本語では始新世と訳されている地質時代のエーオ・シーン[Eocene]にも使われています.

エーオース(Ἠώς from Wikipedia)

アンモナイトでは,ほかにもエーオー・グンナリテス[Eogunnarites Wright et Matsumoto, 1954],エーオー・マドゥラシテス[Eomadrasites Matsumoto, 1955],エーオー・ラーエボセラス[Eorhaeboceras Alabushev, 1989]などに使用されています.
日本では,順に「エオグンナライテス」,「エオマドラサイテス(エオマドラシテス)」,「エオラエボセラス」と表記するのが一般的ですかね.

恐龍でも,エーオーブロントサウルス[Eobrontosaurus Bakker, 1998]とか,エーオーケラトプス[Eoceratops Lambe, 1915],エーオーラムビア[Eolambia Kirkland, 1998],エーオーラプトル[Eoraptor Sereno et al., 1993]など,祖先形と思われるものに使うのが一般的です.
[続く]

 

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