2011年6月10日金曜日

CLADOSELACHII

(clade unknown) CLADOSELACHII (author unknown)


1909: subclass 3. † CLADOSELACHII: Goodrich, (Berg, 1940, p. 348)
1930: subclass CLADOSELACHII: Goodrich, (Berg, 1940, p. 351)

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CLADOSELACHII = cladoselach-ii=「Cladoselache属の」+《不詳》
CLADOSELACHII = clado-selachii=「枝の」+「~鮫に属するもの《男複》」=「枝鮫類」

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CLADOSELACHIIは,本来Cladoselacheを模式属とする「科」の上位分類群として設定されたもののはずです.
しかし,この文法的構造には問題があります.

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まずはCladoselacheの意味から.
Cladoselache = clado-selache=「枝の」+「サメ[σελάχη]《中複》」=「枝鮫属」

clado-はギリシャ語の[ὁ κλάδος]=《男》「枝,分枝」が,ラテン語の《合成前綴》化したもの.「枝の,分枝の」という意味です.強引に「(口が)裂けた」という意味に解釈する例があるようですが,無理じゃあないでしょか….

-selacheは,ギリシャ語の[τά σελάχη]=《中》《複》「サメの類」ですが,サメ一般を示しているのか,サメの中のあるグループを指しているのか辞典の記述では不明です(正直な話,ギ語辞書・ラ語辞書は欠陥だらけだと思います).

あわせて,「枝のサメども」という意味で,属名として使われています.これは,ちょっと違和感があって,本来ならばCladoselachus = clado-selachus=「枝のサメ《単主》」が採用されていたはずだと思うのですが,経緯がわからないので,なんとも.

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で,合成語Cladoselachusの語根はcladoselach-になりますので,これに《科》を意味する-idaeが合成されて…,
CLADOSELACHIDAE = cladoselach-idae=「Cladoselachus」+《科》
という風になります.

ところが,亜綱として提案された名称はCLADOSELACHIIなので,cladoselach-を語根としては解析ができなくなります.

CLADOSELACHII = clado-selachii=「枝の」+「~鮫に属するもの《男複》」=「枝鮫類」
これは「枝の鮫類」であって,「Cladoselachus (Cladoselache)類」ではないのです!.

おまけに,このCLADOSELACHIIは誰が提案した名称なのか,サッパリわからないという不思議….

一方で,現在はcladoselach-を語根とした目名CLADOSELACHIFORMESが使われています(こちらも,誰が提案した名称なのか,わからないのですが…).

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(参考までに)
order CLADOSELACHIFORMES (author unknown)
 family CLADOSELACHIDAE Dean, 1894
  genus Cladoselache Dean, 1894

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(2011.09.04.:修正)

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