2009年11月17日火曜日
“生きた化石”
今日もまた,TVでアナウンサーが,「シーラカンスは“生きた化石”です」といっていました.
この人たちはマッチポンプです.いい加減な言葉を使って,広げて,しばらくたつと「日本語が乱れている」と主張する傾向があります.これもそれの一つかも.
「生きた化石」という言葉は「存在」しません.
これは「living fossil」の訳語ですから,「生きている化石」が正しいのです.
もちろん,「(現在)生きている(化石となっているはず=絶滅しているはずの)化石」という意味です.
「生きた化石」という言葉の「生きた」は過去形ですから,「(過去に)生きた化石」という当たり前の意味を重ねていることになります.「絶滅したはずだが,生き残ったもの」という意味には,なりません.
また,日本語としても,奇妙なわけですね.
「馬から落馬した」みたいな奇妙な日本語です.
「(現在)生きている化石」という意味を出すためには,現在進行形である「生きている」を使わなければならないわけです.
驚いたことに,安手の辞典には「生きている化石」ではなく「生きた化石」と出ているものもあるらしい.
また,Googleで検索してみると,「生きた化石」=327,000件,「生きている化石」=343,000件でした.
由来のわからない「俗語」が,市民権を得ているというわけですね.
誰が,こんな言葉を流行らしているんでしょうね.
「クビナガリュウ」の場合は,国立K博の学芸員が流行らせた俗語だったことがわかってますけど,また,彼らですかね.
「えっ」,「生きた」には,現在(進行)形の意味もあるって?
やっぱ,そういうことをいう人がいるんだろうなあ….
ま,「化石」という言葉自体も,もとは「俗語」ですけどね….
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