2007年3月13日火曜日

最上徳内の資料

 現在入手可能な最上徳内の伝記は島谷良吉「最上徳内」(吉川弘文館;1977)のみ.
 これには,徳内の著書リストのほか,主要参考文献のリストが載っている.
 しかし,徳内の著書はほとんどが未刊.
 「蝦夷草紙」正・後編ぐらいしか出版されていない.これらは北門叢書(1943, 1944刊)中に採録されている.1972年に複製が出版されたが両方とも現在は入手不可能.古書店で見つかれば,一冊¥5,000〜¥8,000ぐらいで購入できるが,正編と後編は別々の巻に掲載されている.ただし,この底本は写本であって,徳内自筆ではないそうだ.
 吉田常吉編の「蝦夷草紙」(時事新書;1965刊)は,少なくとも正編は徳内の自筆本だそうである.この時事新書版は,まれに古書店でみつけることができるが,紙質装丁ともに上質とはいえず,保存のいいものは少ない.
 須藤十郎編の「蝦夷草紙」(MBC21;1994刊)は,ごく最近のものであるが,すでに絶版扱い.古書店でも見つからないので,出版社を調べたら,「自費出版専門」とある.自費出版だったのか!
 著者さま&ご家族さま宛で手紙をかいたら,「宛先に尋ねあたりません」で帰ってきた.もう入手不可能かも.現在,「最上徳内記念館」に問い合わせ中.

 徳内の「地質・鉱物・化石」に関する記述はごくわずかしかない.
 内容は「本草学」から一歩も出ていないようだ.しかし,島谷良吉『最上徳内』には気になる記述が一ヶ所ある.西蝦夷地の鉱山の話しである.

 もっと調べる必要があるが,取っ掛かりがない.

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