2007年3月18日日曜日
赤色チャート
近くに神居古潭帯の模式地でもある神居古潭があるので,庭石に神居古潭帯の岩石を使っている家が多いです.これもその一つ.赤色チャート.
“神居古潭帯”は「北海道中央部を南北に分布する蛇紋岩・各種高圧変成岩を含む構造帯」と定義されているので,赤色チャートはメインの岩石ではない.赤色チャートは「弱変成岩類と前期白亜紀メランジ」として一括される地層のメンバーで,メインの「蛇紋岩・各種高圧変成岩」とどういう関係にあるのかはあいまい.
専門家に時々訊いたりするが,あまり明確には教えてもらえない.(^^;
さてどういう石なのかとムリシャリわかりやすくすると….
前期白亜紀(14,500〜9,700万年前ころ),古太平洋の西側にあった火山島が活発に活動.周囲に熔岩を流し,これが現在「枕状熔岩」として観察される.火山島の周辺には湧昇流がおき,微生物の活動が活発化する.そこで,珪酸塩の殻を持つ「放散虫」が大量発生して,たくさんの死骸が堆積する.
放散虫が作りだしたたくさんの珪酸塩は再結晶して,チャートを作りだす.これが赤色チャートの起源.含まれている微量元素の違いのせいで,青いチャートもできる.
本来ならば,このチャートと枕状熔岩の分布を調べれば,それは火山体の形を残しているはずなんだけど,どういう理由でか,斜面を滑り落ちて,並び方がグチャグチャになってしまう.この「グチャグチャ」を科学的な言葉で「メランジ」という.
枕状熔岩も在所の付近で観察できるんですが,あまり典型的ではないんですねえ.いい写真が撮れたら,そのうち紹介しましょう.
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2 件のコメント:
庭先でよく見かけるチャートですが,その正体を知っている人はきっとあまりいないのでしょうね。こういう詳しい解説をしてもらうと,庭石に対する見方が変わって,愛着が湧いてくるのではないでしょうか。「庭石解説シリーズ」なんていかがでしょうか。
ほかにもいくつか庭石ネタがあって,別の機会に紹介するつもりですが,あくまで「ご近所の自然」シリーズの一部です.(^^;
庭石はそんなに種類はないんですよね.
なにせ,キレイなものだけですから.
それと,新鮮面を出して確認というわけにいかないので,岩石が専門でない私としてはつらい所です.
安山岩ですと書いて,玄武岩だったらどうしようとか...(^^;
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