2011年7月28日木曜日

学名は難しい(2)

今日も,平嶋義宏「生物学名概論」を読んでいます.
13頁で,許し難い記事にぶつかってしまいました.

「ラテン語の読み方」の所なんですけどね.

●ラテン語の読み方には,ルールがある>うん,なるほど.
●ギリシャ語由来のラテン語の場合には,やはり,ルールがある>なるほど,なるほど.

次あたりから,だんだん怪しくなります.
●近代人や地名に因む学名の読み方にはルールがある>え? なにそれ.
「近代人や地名に因む学名の読み方は,それぞれの発音に従う」
ウソでしょ.そんなルールがあったら,そんなルールの存在を許したら,その学名は何に由来しているか,常に記述されていなければ(ほとんどされていることはない),読めないことになるでしょ.
日本語は,文字と音とが対応しているから,問題ないでしょうけど,いわゆるアルファベットを使う民族は,アルファベットの文字と発音が対応していない方が多いですからね.
あらゆる言語を知っていて,その単語の読み方も知っていないと,その学名は読めないということを公然といってるようなものです.

こういうことをサラリと言ってのける「学者」は,「科学の世界」に立っているというよりも,「オカルトの世界」に立っていると思われても,しょうがないですね.これでは「秘技・秘伝の世界」ですから.
こういう,無知な市民の参入を拒否するようなルールは無視すべきですね.

ということで,無視して,ラテン語のルール,ギリシャ語のルールを優先することにしますね((^^;).


ちょっと「ムッ」ときたところですが,気を取り直して,読み進めると,もっとひどい記述にぶつかります.
「動物の学名の読み方」という所なんですけどね.
とんでもない例外が公然と書かれています.

動物の学名の読み方は,必ずしも「ラテン語のルール」にしたがっていない本に,従うんだそうです.それは,ドイツ人のロイニス(Leunis:ラテン語風なら「レウニス」ですね(^^;)が1883年と,1886年に出版した本です.
なるほど,それではその本を入手しなければ,いけないわけか.と,誰しも思います.
ところが,巻末の参考文献の所を見ると,「入手困難」と書いてあります.アホな!

わかるでしょ.入手困難な本がないと,学名は読めないのですよ! 例外が書いてあるんだから.
ということで,これは平嶋御大の個人的なルールと解釈して,原則,ラテン語のルール,ギリシャ語のルールを優先することにしますね((^^;).
もし,どうしても,こういう「困ったルール」を残したいのなら,「pdf.ファイル」にしてかつ「無料配布」でもすれば,みな納得すると思いますけどね.


なんか,大昔の話ですけど,カナダ人相手にCoelophysisという恐龍の話をしていて通じず,文字で書いたら「オー!,シーロフィシス!!」と大げさにやられたことを想い出しました.ラテン語ならば,「コエロ・プュシス」ですが,これはラテン語のルールを知っていれば,読むことができます.
でも,「シーロフィシス」では,そう読むことがわかっていなければ「発音」できません.自分たちの創った例外が正則で,本来の正則は認めないとは!.
アルファベット民族とのコミュニケーションは,かくも難しい物なのです((^^;).

さて,書いたら気が晴れたので,また読み続けることにしよう.
あ,その前に,たのんでおいたギリシャ語文法の本がとどいているというので,図書館までいってこなけりゃ.
どんどん,めんどくさいことになるなあ…(^^;

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