2011年5月14日土曜日

AMPHIOXINI

order AMPHIOXINI Müller, 1844

1844: order AMPHIOXINI Müller, (Berg, 1940, p. 346).
1923: order AMPHIOXI: Jordan, (Berg, 1940, p. 349)

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AMPHIOXINI = amphi-ox-ini =「両方の」+「鋭い」+「~からなるもの《男複》」=「両鋭類」
AMPHIOXI = amphi-oxi=「両方の」+「鋭いもの《男複》」=「両鋭類」

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amphi- はギリシャ語の「両側に.回りに」という意味を持つ[ἀμφί](アムプイ)が,ラテン語の語根化したもの.amph-, amphi-(アムプ・,アムプィ・)=「両方の.両側の.周囲の」という意味を持ちます.

【寄り道】AMPHIBIA =「両生類」は, amphibius =「水陸両生の」というラテン語からできたものです.
amph-は,amphibole =「角閃石」にも使われています.こちらは,[ἀμφί]-[βῶλος]=amphi-bolosが語源で,「両義性をもつ」<「曖昧な」の意味が強く,「曖昧な土塊」が意味.その構造の多様性からつけられたといいます.なお,ギリシャ語をそのままラテン語綴り化すると,amphi-bolosですが,ラテン語風綴りではamphi-bolusとなり,フランス人が造ったので「フランス語」とされ,英語化してamphiboleになったとそうです.

ox- もギリシャ語で,「鋭い.酸っぱい」という意味を持つ[ὀξύς](オックシュス)が,ラテン語の語根化したもの.ox-, oxo-, oxy- (オックス・,オックソ・,オックシュ・)=「鋭い,尖った.酸っぱい」という意味を持ちます.

-iniは,現在では分類群「族」の用語を造るときに使われる語尾になっていますが,もともとは,[-ιονς]=「~の,~から成る;関係する」という意味の接尾辞の変化形です.変化の道筋は割愛しますが,これの《合成後綴》《男性》《複数》で《所有・従属関係》を示しています.

 あわせて,「両方の鋭い類」.ちょっと,意味不明ですが,要するに「ナメクジウオ」を意識しているらしく,(頭をもたずに)「両方が尖っている」ということらしいです.

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一方,AMPHIOXIの-oxiは上記[ὀξύς]がラテン語《合成後綴》化し,さらに名詞化したもので,《合成後綴》《男性》《複数》の形です.

こちらも,「両方が尖っている」ことを示す言葉です.

(2011.08.30.:修正)

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