(unranked clade) ELASMOBRANCHII Bonaparte, 1838
1838: (unranked clade) ELASMOBRANCHII Bonaparte,
1909: subclass 1. ELASMOBRANCHII: Goodrich, (Berg, 1940, p. 348)
1923: class 5. ELASMOBRANCHII: Jordan, (Berg, 1940, p. 349)
1930: subclass ELASMOBRANCHII: Goodrich, (Berg, 1940, p. 351)
1932: subclass 4. ELASMOBRANCHII: Woodward, (Berg, 1940, p. 350)
1934: I. ELASMOBRANCHII: Säve-Söderbergh, (Berg, 1940, p. 351)
1936: branch I. ELASMOBRANCHII: Stensiö, (Berg, 1940, p. 351)
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ELASMOBRANCHII = elasmo-branchii=「板の」+「~鰓をもつもの《男複》」=「板鰓類」
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elasmo-は,ギリシャ語で「金属板」を意味する[ἔλασμα](エラスマ)がラテン語語根化したelasm-, elasmo- で「板の」を意味します.「エラスモサウルス」の「エラスモ・」ですね.
ちなみに,エラスモサウルスの胸板や腰骨は“板のよう”に見えます.道内のいくつかの博物館でエラスモサウルス類の骨格を展示していますので,実際にみてみるといいでしょう.
-branchiiは,ギリシャ語で「鰓」を意味する[τό βράγχιον](ブランキオン)が《合成後綴》化したもの.
-branchius = -branchi-us=-「鰓の」+《形容詞化語尾》
形容詞は《三性変化》しますので…,
《合成後綴》《形》-branchius, -branchia, -branchium =「~鰓の」
形容詞は《複数》をサポートしますので…,
《合成後綴》《形》《複》-branchii, -branchiae, -branchia =「~鰓の」
これらが,おのおの《名詞》化して「~鰓;~鰓をもつもの」の意味になります.
あわせて,「板の鰓をもつもの」=「板鰓類」
(あ~ぁ.これを解決するのに,いったい何冊の本を読んで,何日かけたことだろう(^^;)
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ちなみに,和羅辞典には branchiae, branchiarum, f., pl. とあり,《女性》ですから,これを信じたら,どうやっても語尾が -ii にはならないのです.ところで,元のギリシャ語は《中性》なんですから,《ラ語》化したら《女性》になるということ自体を疑わなければならなかったんですけどね.
さて,elasmo-branchiiをあわせて,「板の鰓ども《複数》」.これは現在でも普通に「板鰓類」として使われています.
こういう怪しげな論理展開はやめて, ELASMOBRANCHIMORPHA とでもしてくれれば,スッキリするのですが….
なお,学名のルールには,種名の性は属の性にあわせなければならないという,異様なこだわりがあります.そのため,原語(特にギリシャ語の様に「性」がある言語)の「性」は重視されているのだと,勝手に思い込んでいました.
しかし,実際は,元の性が《女性》でも《中性》でも,ラテン語化に際して“語尾が-usに終わる名称は男性”にするというのでは(語尾を-usにするという強引さも含めて),なにか相当な歪みがある(科学史上あった)のだろうかと想像してしまいます.(一般的な古生物学者の「性格」からもね)
(2011.08.25:修正)
もう一つ.
-iumという接尾辞があります.主に《元素名》を造るときに使われる《接尾辞》ですが,元々は《縮小詞》だったらしいです.
もしかして,elasmobranchiium = elasmo-branchi-ium=「板の」+「鰓」+《縮小詞》=「小さな板の鰓」という言葉が成立していたとすれば,この複数形はELASMOBRANCHIIIになります.iがひとつ多いですが,branchi-という《合成前綴》は,まれにbranch-という例もあるようで,そうだとすれば,ELASMOBRANCHIIという言葉が成立します.
なんにしろ,この言葉を造り出した学者先生が「どういう意味」で合成したのかがわからないので,なんともいえませんね.
(2011.08.25:付加修正)
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