2011年5月18日水曜日

魚の分類(3)Agassiz (1857)

 
次に,ベルグが引用したのは,Agassiz (1857)の "Essay on classifications”です.
それは,以下に.

なお,四つの綱に分けられていますが,これをまとめて“魚類”とかよんでいるわけではないことに注意.同等のランク(class)には,ほかにAmphibia, Reptilia, Aves, Mammalia(両生類,爬虫類,鳥類,哺乳類)がならんでいます.

class PISCES は,構成員が減ってしまい,減った部分はそれぞれ独立してしまったわけです.
この時点で,全体を“魚類”とよぶ分類群は(科学的には)無い,ということが示されたことになるわけですが,後続の研究者からの評価は低かったようです.

class I. MYZONTES
  order MYXINIDES
  order CYCLOSTOMI
class II. PISCES
  order CTENOIDEI
  order CYCLOIDEI
class III. GANOIDEI
  order COELACANTHIDA
  order ACCIPENSERIDA
  order SAUROIDEA
  order SILURIDA
  order PLECTOGNATHI
  order LOPHOBRANCHII
class IV. SELACHII
  order CHIMAERAE
  order GALEODES
  order BATIDES

なお,各分類群の定義者が明示されていないので,記述からの推測になりますが,Agassiz (1857)が定義しなおしたと考えるべきでしょう.ベルグは,アガシが初めてMYZONTESを独立させたことが興味深いといっています.
各用語の和訳については,リンクで.
 
また,各分類群名に,こちらで調べた定義者名を付加してありましたが,調べれば調べるほど矛盾が出てくるので,あきらめて付加しないことにしました.
原著が入手できる立場にあればいいんですけどね~~.
 

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