2011年5月9日月曜日

事故の法則

 
 「事故はめったに起きない」
 わたしは,そう思っています.

 休日のドライブは嫌いなのですが,必要があって,しばしば出かけます.そうすると,必ず,「怖いドライバー」にであいます(怖いドライバーにあう確率が高いから,休日のドライブは「や」なのです).
 「あれでよく事故が起きないなあ」と,つぶやきます.
 そう,たいていの場合は,巻き込まれそうになった相手のドライバーが避けることによって,事故は回避されています.「怖いドライバー」のほうは,なにかが起きかかったことには,間違いなく気付いていないと思います.

 それでも,この国では,年間一万人もの交通事故死者を出してるのですから,まれに「怖いドライバー」と「怖いドライバー」が絡み合うことがあるのでしょう.

 ちなみに,事故死者数が一時期に比べて減っているのは,交通法規がきびしくなったせいでも,警察が努力したせいでも,事故に対する意識があがったせいでもありません.車製造メーカーが安全な車を造ったからです.というよりは,事故が起きれば死者が出るような危険な車を作りにくくなったからでしょう.
 しかし,不況のせいで,軽自動車に乗り換える人が増えてますから,死者数はこれから増えてゆくでしょう.軽自動車は安全対策がより難しいですからね.

 話を戻します.

 「事故はめったに起きないものです」
 ただ,「危険な企業」と「危険な企業」が絡み合った場合は,事故にいたる確率は,確実に高くなります.
 食肉業者がトリミングをおこなっているか,焼き肉店側がトリミングをおこなっていれば,死者が出るほどの事故には至らなかったでしょう.ある確率で危険性はあるものの,どこかでだれかが回避しているのが普通だからです.
 今回は,お互いに責任をなすりあっている二つの企業が,事故の確率を“かけ算”してしまった結果,臨界値を越えてしまったのでしょう.

 同じことが,原発にもいえます.
 核反応はもともと,危険なものです.それを前提として,真摯に対応する企業と指導力のある政府.利口な国民が構成要素だったら,事故なんか起きなかったのです.
 何が何でも,原発を造りたい指導者.それで一儲けしたい企業.群がる悪徳政治家.コントロールできないお役所.監視しない国民….事故の確率はべき乗で高くなっていたのは,間違いないでしょうね.
 

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