2011年5月17日火曜日

平将門

 
 安倍族のことが,あまりにわからないので,「急がば回れ」ということで,平将門について調べてみることにしました(どういう関連かは,自分でもよくわからない(^^;).

 まずは北山茂夫(1993)平将門.朝日選書467,朝日新聞社.237+頁.

  


 面白いのだけれど,なにか違う.途中で飽きてしまいました.

 次は,川尻秋生(2009編)将門記を読む.「歴史と古典シリーズ」,吉川弘文館,240頁.

  


 こちらも大筋は,前記・北山と同じ.史料の解釈.ところが,いくつか違うことがあります.それは,「武器・武具」について検討していること.なるほど,将門がどんな人物であれ,闘争に必要な「武器・武具」を揃えられないでは,話になりません.イヤ,戦いになりませんね.

 じゃあ,戦費・食料はどうしたんだろう.

 別な著者が続きます.海水準変動や炭素同位体比の検討から,「平安時代の温暖期」が将門の軍事力を支えたであろうことを議論していること.温暖化は,なにかを生み出すようです.歴史の本で,こういう検討をしているのを見るのは初めてです.歴史学も科学を使うようになったんですね.

 将門は,なぜ戦い続けたのか,よくわからなかったんですが,というよりは,「将門の乱」や「平将門という人」そのものが,よくわかっていないんです.戦乱があったこと以外は….これは,たぶん,「わからないということ」そのものがヒントの様です.
 天皇制に戦いを挑んで負けたら,存在そのものが抹殺されて当然ですね.でも,庶民は「将門伝説」として伝え続けた.
 天皇制に巣くう悪徳官僚が地方出張にゆくと,ボロもうけをして中央に帰って行くわけです.そのたびに,地方は疲弊する.どうやら,これが,平将門を生み出した原因らしい.
 君が代を強制しても,尊敬は勝ち取れないわけですね.ね,関西の人たち.

 続いて,福田豊彦(1981)平将門の乱.岩波新書黄版168,岩波書店,218頁.

  


 じつはこの本を読むために,平将門関連書籍を読み始めたんです.平将門関連書籍は掃いて捨てるほどあります.我が市の図書館でさえ.大部分は,空想歴史小説類なので,選択が大変ですけどね.
 で,何が読みたかったかというと,第二章の「関東の鉄と馬」です.

 「たたらは飽きた」んですが,「たたら」でない製鉄があったんですね.しかも,関西ではなく,関東に.いずれ「みちのくの鉄と金」の再検討を始めることになるだろうという気がしてますが,これは,その一歩になるでしょう.
 さて,もう少し記述が詳しいらしい「福田豊彦(1995)東国の兵乱ともののふたち.吉川弘文館,265頁」,というのが出版されていることがわかりましたので,早速注文することにしました.

  


 腐敗した天皇制と,そのために疲弊する東日本.これは昔の話?
 天皇が東京に移った今,大量のエネルギーを消費する大都会・東京が,東北を搾取する構図?
 原発事故は,平将門を生み出すでしょうか….まさかね.
 

0 件のコメント: