2011年5月11日水曜日

DIPNOI

subclass I. DIPNOI Müller, 1844.


1844: subclass I. DIPNOI Müller,.
1909: subclass 1. DIPNOI: Goodrich, (Berg, 1940, p. 348)
1923: class 5. DIPNOI: Berg, (Berg, 1940, p. 349)
1930: subclass DIPNOI: Goodrich, (Berg, 1940, p. 351)
1932: subclass 5. DIPNOI: Woodward, (Berg, 1940, p. 350)
1934: II-A. 1. DIPNOI: Säve-Söderbergh, (Berg, 1940, p. 351)
1936: sub-branch 2. DIPNOI: Stensiö, (Berg, 1940, p. 351)

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DIPNOI(ディプノイ)は,普通に使われている(あるいは,使われていた)ラテン語ではなく,ギリシャ語からの合成語です.

DIPNOI = di-pnoi
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di-はギリシャ語で「二回,二度,二倍」を意味する[δίς](ディス)を,ラテン語の語根化したもの.
これは,di-もしくはdis-の形を取り,「二つの,両方の,二重の」を意味します.

-pnoiは不詳.

ギリシャ語で「風,空気.呼吸.生命,魂.インスピレーション.霊,霊魂.精霊」を意味する[πνεῦμα](プネウーマ)の別綴り(簡略形?)である[πνοή / πνοιή](プノエー・プノイエー)を,ラテン語の語根化すると,pno-=「呼吸の」となります.
つまり,dipno-=「二つの呼吸法をとる…」となると思われますが,どういう経緯をたどってdipnoiになるのかは解析できませんでした.

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訳すと「二呼吸類」とでもなりますか.ま,水中でも空気中でも呼吸できるということですね.
日本語訳では通常「肺魚類」とされていますが,これは訳ではないですね.

(2011.08.25:修正)


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もしかすると,-pnousという《形容詞》を合成していたのかもしれません.
-pnous = -pno-us=「呼吸の」+《形容詞化語尾》
これが,《形容詞》ですから,《三性変化》をおこします.
《合成後綴》《形容詞》-pnous, -pnoa, -pnoum =「呼吸の」(順に《男》《女》《中》)
これが,各々《複数》になると,
《合成後綴》《形容詞》-pnoi, -pnoae, -pnoa =「呼吸の」(順に《男》《女》《中》)
さらに,各々が《名詞》化すると,=「~呼吸をするもの」という意味になります.
従って,-pnoiは《男複》「~呼吸をするもの」.

DIPNOI = di-pnoi=「二つの」+「~呼吸をするもの《男複》」=「二呼吸類」となりますね.

(2011.08.26:修正)


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